尼崎市が「新たな演劇作品の発掘・劇作家の育成」などを目的に主催する「近松賞」第7回受賞作品「馬留徳三郎の一日」が10月15日~17日、あましんアルカイックホール・オクト(尼崎市昭和通2)で上演される。
同作は、劇団「青年団」に所属する劇作家・高山さなえさんが、故郷の長野県を舞台に書き上げた戯曲。「山深い集落に住む馬留徳三郎と妻ミネの元に、息子の雅文から『仕事でトラブルがあり、部下がそちらへ向かっている』と電話が掛かってくる。雅文の部下だという蔵本が馬留家を訪れると『息子の話が聞ける』とミネは喜ぶが、蔵本は近所に住む老人から『雅文は死んでもういない』と聞かされ…」というストーリー。演出は青年団主宰の平田オリザさん。
新型コロナウイルス感染拡大により、3月の上演予定が7月に一度延期されたが、尼崎市が「7月末までの市主催事業の中止」を発表したことにより再度延期となっていた。担当者は「新型コロナウイルスという見えない敵に恐怖を抱きながらも、公演を楽しみにしていた皆さまに対して大変申し訳なく、残念で悔しい気持ちでいっぱいだった。3密の回避やマスク着用など、当施設の感染拡大予防ガイドラインに基づき、今回の公演を実施する」と話す。
「高齢化が進む現代社会の問題を、老人たちの生活を通して切なくもユーモラスに描いている。『自作の戯曲以外を担当するのは10年ぶり』という平田オリザさんの演出も楽しんでいただけたら」とも。
開演時間は、15日=19時、16日=14時・19時、17日=13時・18時。料金は一般=3,500円、大学・専門学校生=2,500円、高校生以下=1,500円。問い合わせは尼崎市総合文化センタープレイガイド(TEL 06-6487-0810)まで。