尼崎市で1月31日、「忍たま乱太郎」のキャラクター名になっている地名を巡る「尼崎地名めぐり 善法寺・食満(けま)・久々知(くくち)・潮江の段」が1月31日、尼崎市で行われた。
原作者・尼子騒兵衛さんが潮江素盞鳴神社に奉納した、「潮江文次郎」の大絵馬
尼崎市の都市魅力創造発信課が主催する「あまらぶ探検隊」の第9弾企画。参加者の8~9割は他府県から訪れ、リピーターも多く、同課が取り組む「『影の尼崎観光特使』の登録者も47都道府県を制覇した」と話す。今回は千葉、東京、神奈川、岡山、愛媛などから20代女性を中心に忍たまファンが駆け付けた。応募人数は定員の2倍である40人にのぼり、少しでも多くの人に参加してもらいたいという思いから25人に定員を増やした。
ツアー中の移動は尼崎市バス1台を貸し切り、車内の中づり広告には潮江・食満など訪問先の地名をプリントするほか、バス正面上部にある行き先の電光掲示板も「☆尼崎地名めぐり☆」と表示するなどの特別仕様となっている。
この日は市役所を出発し、善法寺白井神社、中食満(なかけま)稲荷神社、食満の豆腐店「おおもと」、近松記念館、久々知須佐男(すさのお)神社、潮江素盞鳴(すさのお)神社を巡った。
参加者は「ツアーがあるから行ける場所。こうしてファンが集まれる機会があるのもうれしい」「神社に来るのは2度目だが、来るたびに風景が変わって面白い」など、アクセスが難しく通常では訪問しづらいエリアに目を輝かせ、ほかの忍たまファンとの交流を楽しんだ。
「忍たま乱太郎」に登場するトウフ好きのキャラクターにちなみ、食満の豆腐店「おおもと」でトウフの試食も行われ、「濃厚でおいしかった」「スーパーで買うものとは全然違う」「甘くてしょうゆなしで食べられる」など、参加者たちは笑顔で舌鼓を打っていた。
千葉県から来た台湾人留学生、李易(リ・イ)さんは、忍たま乱太郎のアニメは小学生のころから字幕放送で見ていたという。「尼崎市が行っている『アニメの力での地域活性化』をテーマに卒業論文を執筆した。これから尼崎がどうなっていくのか楽しみ」と話していた。
昨年の「あまらぶ」イベントから交流が始まったという大阪府の水野文菜(アヤナ)さんと東京都の金川櫻さんは「少人数で回るので、新たな発見やファン同士の団結が生まれる。食満は初めてのエリア。『やっときたか!』と感動した」と、仲間との出会いや再会を喜んだ。「次回も必ず来たい。市のバックアップがあるのもうれしい」とも。
「バスの車窓から地名の標識を見つけるたびに歓声が上がった。地名を見るだけでも喜ばれるというのは、尼崎の宝だと思う。イベントを通じ参加者同士の交流が生まれているのがうれしい」と市のツアースタッフ。
同市によると、観光のスタイルが変わってきており、訪れた人独自の視点で自由に楽しむ形が好まれているという。「ほかの地区のように観光スポットは少ないが、尼崎ならではの魅力を発見し、尼崎を好きになってもらいたい」と同市。
「あまらぶ体験隊は、普段できないような特別な体験ができる企画。次回は親子が一緒に楽しめる企画を用意しているので、家族で参加してもらいたい」と呼び掛ける。
次回開催は3月を予定している。詳細情報は、あまらぶ(尼崎市シティプロモーション)フェイスブックページなどで確認できる。