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尼崎・大覚寺の節分会で「からくりみくじ」披露 おみくじで平家物語の世界へ

制作途中の「船弁慶からくり御籤」

制作途中の「船弁慶からくり御籤」

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 「船弁慶(ふなべんけい)からくり御籤(みくじ)」の完成披露が2月3日、尼崎の大覚寺(尼崎市寺町9、TEL 06-6411-2705)節分会(せつぶんえ)で行われる。

「芦刈からくり堂」の3体の人形も九代目玉屋庄兵衛さん作品。電動部分には地元企業の技術が使われている

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 「大覚寺節分会」は尼崎に春を告げる風物詩として、多くの人が訪れる恒例行事。朝夕にかけて伝統的な「身振り狂言」のさまざまな演目を上演するほか、豆まきの前には「芦刈からくり人形」が登場して緻密でユーモラスな動作を披露し、人々を喜ばせている。

 今年の見どころは「船弁慶からくり御籤」の初披露。制作したのは「芦刈からくり堂」も手掛けた名古屋のからくり人形師・九代目玉屋庄兵衛さんで、昨年末のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介された名工。

 作品のテーマは、平家物語の一節から取られた能楽「船弁慶」。荒波を分けてこぎ進む船に乗った源義経と武蔵坊弁慶のほかに、物語を伝える琵琶法師の姿も表現されている。参拝者がからくりから伸びたヒモを引っ張るとからくりが動き出し、平家物語の名場面を見ながらおみくじを引くことができる。

 大覚寺は、605年に聖徳太子の命で開基したと伝えられる市内最古の古刹(こさつ)。江戸初期に尼崎城の築城のために現在の寺町に移されたが、それまでは旧淀川河口に当たる長洲の浦に位置し、瀬戸内海と京の都を結ぶ水運の拠点として門前が栄え、さまざまな歴史の舞台となってきた。「平家物語」を伝えた琵琶法師・明石覚一が率いる「当道座」も寺の市庭に拠点を置いており、「平家物語」の伝来に関わる文書「覚一本平語相伝次第」が寺に伝わる。「船弁慶」の舞台となった「大物ノ浦(だいもつのうら)」もかつては寺の市庭の一部だったとされる。

 開催時間は10時~19時。

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