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尼崎で自転車マナー向上アプリ 安全で「トクする」自転車ライフ目指す

夕刻は自転車と自動車で混み合う阪急武庫之荘駅の踏切

夕刻は自転車と自動車で混み合う阪急武庫之荘駅の踏切

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 無料スマートフォンアプリ「自転車マナーポイント」を使った自転車マナー向上に向けた社会実験が11月1日から、尼崎市内で行われている。

アプリ「自転車マナーポイント」稼働中ページ(提供=国際航業)

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 尼崎市民でつくる「みんなの尼崎大学」チャリ部の活動の一環。アプリのユーザーが尼崎市内にある約4000カ所の交差点、踏切で一時停止するとポイントが付与され、「規制や罰則ではなく、褒めて交通事故を防ぐ」ことが狙い。アンドロイドのスマホ(ver5.0以降)があれば誰でも参加できる。

 きっかけは2015年、測量・位置情報サービスなど空間情報事業を展開する国際航業(東京都千代田区)が関西の拠点とする西日本支社(尼崎市西長洲町1)で尼崎市についての社内アンケートを実施したところ、尼崎の良いところは「交通の便」、悪いところは「交通マナー、特に自転車」との意見が出たことから、同社のテクノロジーを使って課題を解決できないかと検討を始めたという。

 市でも同様に自転車問題に取り組んでいたことから、市役所の若手職員有志とチームを組み、アプリ開発に着手。自転車交通事故の70%は交差点で発生していることから、交差点で一時停止する動機付けになる「ポイント付与型」アプリを考案し、ビジネスによる社会課題解決を目指す「あまがさきビジネスプランコンペ」で2016年度市長賞を獲得した。

 チャリ部・部長の今田大輔さんは「将来は自転車マナーポイントが商業施設や交通事業者のポイントと連携できるよう進めていきたいが、実証実験はアンドロイド版のみであり、単にポイントがたまるだけなのでユーザー数はまだ少ない。しかし反響は大きく、iOS版が欲しいとの声もよく頂くので、実証実験を延長してiOS版をリリースできないか検討している」と話す。

 「現在のシステムでも、停止した交差点と停止せずに通過した交差点が分かる。そのデータを交差点の形状や周辺環境などの特徴と合わせて抽出し、どのような交差点で停止するのか(しないのか)という仮説を出すことができれば、より精度の高いものになり、商業施設などにとっても参加すべき意義のあるものになる」と今田さん。

 「尼崎は平らな土地で、自転車で移動するにはこれ以上ないほど交通の便が良い街。一方で自転車も自動車もやっぱりマナーが悪く、自由すぎるところがある。まずは、多くの方にアプリを利用していただくことが必要。奮ってダウンロードをお願いしたい」と呼び掛ける。

 実施期間は12月28日まで。

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