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尼崎市立田能資料館が45周年 社会科見学「定番」施設に

屋外は史跡公園として整備されている

屋外は史跡公園として整備されている

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 尼崎市立田能資料館(尼崎市田能6、TEL 06-6492-1777)が7月25日、開館45周年を迎えた。

発掘作業の様子

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 同館は、1965(昭和40)年に同市田能字中ノ坪(現在の田能6丁目)で行われていた工業用水道園田配水場建設中に発見された、弥生時代の集落跡「田能遺跡」の上に立地。同遺跡から出土した土器、石器をはじめ、県の指定文化財である「碧玉製管玉(へきぎょくせいくだたま)」や、木製のひつぎを用いた墓「木棺墓(もっかんぼ)」など、貴重な遺物を展示、収蔵している。

 屋外は史跡公園として整備され、「円形平地式住居」「方形竪穴式住居」「高床式倉庫」を復元展示している。復元住居は内部へ入ることが可能で、構造や広さ、外部との温度差など、弥生時代の暮らしを体感できる。

 近隣の小中学校の児童生徒が社会科見学の「定番」として利用し、中には「3世代で訪れた」という人もいるほど周辺地域の人にとってはなじみの深い場所だが、同遺跡は発掘調査後に配水場建設のため取り壊しが予定されていたという過去を持つ。

 当時は高度経済成長期真っただ中。「建設優先」ムードの中、同市民から遺跡の重要性を訴える声が高まり、講演会や署名活動など保存運動が進められた末、一部保存が決定した。同館学芸員の竹原千恵さんは「保存を訴える活動を行った尼崎の方々は当時ではかなり先進的。現在尼崎に住んでいる方にも、この遺跡を誇りに思ってほしい」と話す。

 同館・社会教育主事の江口都彦さんは「地域の方々が先祖に思いをはせ『田能遺跡まつり』を毎年開催するなど、地域に支えられ親しまれている。近隣以外からも、小学生のときに訪れた人が親世代となり、子どもを連れて来館してくれることもある。これからも末永く愛される、息の長い施設になれば」と笑顔を見せる。

 開館時間は午前10時~17時。入館無料。月曜休館。

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