伊丹市の柿衞(かきもり)文庫(伊丹市宮ノ前2、TEL 072-782-0244)が7月19日から、毎月19日を「一句(19)の日」とし俳句を募集する「伊丹一句の日」を始める。
江戸時代に酒造業で栄え、粋人墨客も多数往来していた伊丹市。俳諧も盛んで、「東の芭蕉、西の鬼貫」と言われた伊丹出身の俳人・上島鬼貫らが活躍した。柿衞文庫は、鬼貫の業績を顕彰するため、酒造家で鬼貫の研究者でもあった岡田利兵衞(俳号柿衞)が寄贈した俳諧コレクションをベースに1984(昭和59)年に設立され、「洒竹 竹冷文庫」「綿屋文庫」と並ぶ日本三大俳諧コレクションと称されている。
伊丹市俳句協会の南北佳昭会長は「伊丹市では、小中学校の授業などでも積極的に俳句に取り組んでいる。市民レベルにおいても、もっと俳句に関心を持ってもらいたい、楽しんでもらいたいとの思いでこの事業を立ち上げた」と話す。
作品テーマなど決まりはなく、市内外から誰でも自由に投句できる。毎月19日~21日、柿衞文庫をはじめ伊丹市立図書館ことば蔵、中央公民館、伊丹市役所など市内13施設に設置する専用投句箱に作品と必要事項を記入し投函(とうかん)するか、柿衞文庫、伊丹市の各ホームページから応募が可能。3カ月に1度のペースで選考会を行い、各月の入選作品をまとめて発表する。入選者へは副賞として協賛企業が提供する自社商品詰め合わせ、特選受賞者へは詰め合わせのほか図書カードを進呈する。
南北さんは、俳句の簡単な作り方として「取り合わせ」という方法を挙げる。「5音の季語に季語とは関係のない12音をプラスするだけ。例えば季語『夏の雲』に表現したい情景描写を加え、『夏の雲朝から食べる焼きうどん』で俳句になる。今朝はとても暑そうな夏雲が出ているが今日もしっかり働こうと朝から肉や野菜たっぷりの焼きうどんをもりもり食べている、という感じがするはず。俳句は何も難しくないので、少しでも興味があれば俳句を作って投句してみて」と参加を呼び掛ける。「俳句を勉強したいなと思われた方向けに、10月から『超簡単俳句入門サークル』も始まる。『才能あり』を目指してみては」とも。