尼崎市総合文化センター(尼崎市昭和通2、TEL 06-6487-0800)美術ホールで7月21日から、「尼崎城築城400年記念 荻原一青が描く-百名城手ぬぐいのすべて展」が開催される。
荻原一青は1908(明治41)年に尼崎市で生まれ、露天商や日雇い労働を続けながら日本各地の城を訪ね歩き、作品を描いた城郭画家。昭和30年代には全国各地の百貨店や同市内公共施設での個展開催、近年では同市発行の歴史刊行物に作品が度々掲載されるなど、長年市民に親しまれている。
展示される手拭いは、荻原が描いた「日本百名城」の原画を元に、大阪府堺市毛穴(けな)の染色技法「注染和晒(ちゅうせんわざらし)」により昭和40年代に制作されたシリーズ作品。2年前に元職人の池田公治さんの自宅から同シリーズの手拭い、原画、型紙がほぼそろった状態で見つかり、その内手拭い105点、原画99点、型紙107点が尼崎市立地域研究史料館へ寄託され、同展開催が実現した。
同館の辻川敦さんは「発見後、荻原の画業や城郭研究について問い合わせがあり、堺市で開催された展示企画に協力する中、池田さんより『尼崎城の復元が進む尼崎での活用を』と貴重な資料を預けていただいた。百名城の絵柄は手拭いの図案らしくデザインされ、各城の特徴がよく表現されている。高度な染色技術と合わせて楽しんでいただければ」と話す。
開館時間は10時~17時。火曜休館(8月13日、15日は休館)。観覧料は、一般=500円、シニア・大学生=250円、高校生以下無料。8月19日まで。