阪神・尼崎駅から西へ徒歩15分ほどにある商店街・尼崎三和市場に「怪獣ショップたんちゃん」(尼崎市建家町)がオープンして1カ月がたった。
約8坪の店内には、ゴジラなどの怪獣や特撮ヒーローのフィギュアのほか、懐かしい映画のポスターやグッズがずらりと並ぶ。
店主の中西隆次さん(50)は元水泳のインストラクター。2007年に亡き父親の家業の古本屋を継ぐため、地元尼崎へ戻ってきた。近所の三和市場で空き店舗が増え活気が失われつつある商店街を盛り上げようと、怪獣や特撮映画などのファンが集まるイベントを定期的に開催していることを知り、自分も慣れ親しんだ同市場のため役に立てないかと思ったという。
中西さんは、古本屋で扱っている昔の映画ポスターや資料を、オークション形式で販売してはどうかと主催者に提案し、2年前から同イベントに参加するようになった。そこでたくさんの怪獣・特撮映画ファンがいることを知り、「怪獣で人を呼び、商店街に活気が戻るのでは」と、11月8日、同市場に同店を開いた。
「実は怪獣についてあまり詳しくなかった」という中西さん。開店するためネットや書物で勉強し、今では自分の目利きで怪獣フィギュアや映画グッズを仕入れる。「今でも怪獣について、来店した客から学ぶことも多い」という。
商品はキャラクターグッズやフィギュア、中身の見えるガチャガチャの詰め合わせ、映画のポスターやパンフレットなど。中には中西さんの父親が30年以上前に閉館する映画館を回り集めてきたというレアなポスターもあり、「若いころ一緒に見たなぁ」と思い出を語り合う夫婦や、なかなか見ることのできないポスターに感動する人もいる。フィギュアは500~3,000円のゴジラ、仮面ライダー、ウルトラマンシリーズの怪獣が売れ筋。「子どものころは買えなかったと、昔を思い出しながら購入する人や、孫にプレゼントしたいという年配客のほか、週1回ペースで店に通う人もいる」と話す。
「ネットで取引されているものよりも手頃な値段設定にして、来た人に楽しんでもらえるよう、たくさんの種類を用意している。懐かしいものを探すなら当店へと言えるくらい仕入れにも力を入れている」とも。
商品の仕入れ情報や店の様子をフェイスブックなどで発信している。購入客もSNSなどに掲載してくれるといい、「それを見て来たという新規のお客さまや、水泳インストラクター時代の生徒が三和市場へ足を運んでくれるのでとてもうれしい」と笑顔を見せる。
営業時間は、木曜・金曜=14時~19時、土曜・日曜=11時~19時。12月29日~1月2日休業。