尼崎の臨海部にある「尼崎閘門(こうもん)」で4月29日から、防災展示室の一般公開と「尼ロック防災フェスティバル」が開催される。
「尼崎閘門」(通称「尼ロック」)は、臨海部の運河・河川と尼崎港を隔てる国内最大級の閘門。2つの水門を開閉することで、海水が運河内に流れないよう調整し、船舶が通航できるようにするほか、近い将来必ず起こると想定される南海トラフ地震による津波への防災拠点ともなる。
一般公開するのは、24時間365日監視業務を行う「集中コントロールセンター」1階にある防災展示室。通常は平日のみ、団体のみ見学予約を受け付けるが、期間中は自由に見学でき、毎日先着10人にオリジナルグッズを進呈する。
公開初日となる29日には「尼ロック防災フェスティバル」を開催し、防災展示室の公開のほか、「尼崎港クルーズ」と「バックヤードツアー」を行う。「クルーズ」では、実際に船で尼ロックを通過して閘門の仕組みを直接見学し、尼崎港を回って海の景色を楽しむ。「バックヤードツアー」では、市内に降った雨水を運河から海に排水する巨大な排水機場や、尼ロックに掛かる可動橋の上など、普段は立ち入りできない場所を案内付きで特別に見学することができる。
尼崎港管理事務所の田尻知輝さんは「市域の3分の1が海抜ゼロメートル地帯である尼崎は、『尼ロック』などの防潮施設により、常に高潮などの水害から守られている。フェスティバルを通して、街を守っているこれら防潮施設の意義と役割を分かりやすく紹介し、皆さんの防災意識を高め、地域防災力の強化を図りたい。クルーズとバックヤードツアーは1日だけの特別企画なので、実際に体感・体験していただけたら」と参加を呼び掛ける。
開催時間は10時~16時。開催期間は4月29日~5月7日、7月・8月の土曜・日曜・祝日。入場無料。問い合わせ先は尼崎港管理事務所 施設課(TEL 06-6409-1356)。