尼崎市制100周年を記念し、地元演歌歌手や文化研究団体が手掛けるご当地ソングのCDが続々発売され、話題を呼んでいる。
藤ひろしさんはムード歌謡からシャンソン、ラテンと幅広いレパートリーを持つ
尼崎が生んだ江戸時代の高僧で歌人、国学の祖として知られる契沖(けいちゅう)を研究する市民グループ「契沖研究会」(尼崎市昭和通1、TEL 06-6401-5246)が3月1日、オリジナルのご当地ソングを集めたCD「尼崎(あま)の夢酒場」(1,080円)を発売した。
収録曲は阪神尼崎の繁華街の風景を歌った「尼崎(あま)の夢酒場」、尼崎の文化遺跡を訪ねるガイドとなる詞をのせた「尼崎慕情」「歩いてみよう尼崎」、あきんどフェスや市民まつりの盆踊りで親しまれている「契沖音頭」、契沖の生涯と功績を歌詞にした「契沖頌歌」の5曲。
全曲の作詞を手掛けた同会会長で国文学者の吉原栄徳さん(83)は「歌と共に街を楽しく歩いてもらえるよう、街の歴史や文化をたどるコースに合わせて歌詞を付けた。歌によって多くの方に、偉人・契沖と街の文化に親しんでもらえたら」と話す。
阪神尼崎のカラオケスタジオや、大衆演劇場「座 三和スタジオ」での歌謡ショーで多くの地元ファンを持つ演歌歌手、藤ひろしさんは3月25日、CD「恋花さいて・・・あまがさき」(1,300円)をリリースした。発売元はオフィス東進(大阪市北区堂山町16、TEL 090-6029-3891)。
同曲は尼崎を舞台にしたラブソングで、藤さんのディスコグラフィーでは初の尼崎ご当地演歌となる。歌詞には港のにじむ明かりや、近松の人情劇、市役所前に伸びる七松(ななまつ)通りになぞらえ、「つらい恋に耐え忍ぶ女の情」が描かれる。「大阪ネオン街」も同時収録している。
藤ひろしさんは1976(昭和51)年からタレント活動を行い、1985(昭和60)年から「敏いとうとハッピー&ブルー」にサイドボーカルとして参加。現在では演歌歌手のほか、ポップス歌手・タレント「ウォンチュー(ハート)ひろし」の芸名でも活躍している。藤さんは「尼崎を描いたこの曲を全国に届けるキャンペーンを行っている。市民の皆さんからも応援してもらえるとうれしい」と笑顔を見せる。