アートスクール「コテラス図工室」(稲葉荘3)がオープンして、6月22日で1カ月を迎えた。
片面に模様や絵を描いた紙を2つに「パッタン」と折って開く「パッタン画」
尼崎市出身の写真作家・田中健作さんが、年中・年長の幼児と小学生を対象に開設した。田中さんは「祖母の介護で使った思い入れのある空間を活用して、子どもたちの心を豊かに育み、親子の笑顔につながる取り組みをしよう」と昨年の夏に「コテラス」を立ち上げた。建物を改装して、絵本の読み聞かせ会や工作遊びなどのイベントを開きながら「コテラス図工室」の開設準備を進め、5月22日にオープンした。
「コテラス」という名称には、「小さな庭のあるイメージや、子どもにスポットライトを当て、未来を照らすような場所にしたい、祖母の姓である小寺(こてら)を残したいという思いを込めた」という。
写真や映像など自身の創作活動と並行して、これまで幅広い年齢層を対象に学校の授業やワークショップを行ってきた田中さん。同スクールの講師は、田中さんと、保育士として40年以上の経験や日本書芸院の師範の資格を持つという小寺智子さんらが務め、さまざまなテーマや素材で造形遊びや描画、デザイン、書道、写真などの創作活動を行う。
田中さんは「子どもたちのアトリエとして、自己肯定力、やり抜く力、主体性を育むことを目指す。成果物や結果を評価するのでなく、一人一人が遊びや制作過程で何を考え探究したかを大切にして、スタッフが寄り添いながら楽しい活動を行っている」と話す。
オープンして1カ月がたち、田中さんは「活動中に子どもたちが見せる、考え、楽しむ表情や試行錯誤する姿、ユニークな発想の作品から、すてきな個性や可能性を改めて感じた」と振り返る。「日々成長していく子どもたちが、創作活動を楽しんで過ごせる時間を大切にしていきたい」とも。子どもの保護者からは「創作活動が大好きだけど、自宅では準備が大変」「どう見てあげればいいか分からないが、好きなことをじっくりさせてあげたい」というニーズや、「他の子と創作活動が一緒にできて本人が楽しいと言っている」との感想が寄せられたという。田中さんは「絵を描いたり物を作ったりすることが好きな子どもたちは、一度遊びに来て」と呼びかける。
開講日は月2回。開講時間は、幼児クラス=水曜14時40分~16時、土曜9時40分~11時、小学生クラス=水曜16時10分~17時30分、土曜11時10分~12時30分。定員は各クラス4人。受講料は月額5,500円(材料費込み、初回のみ別途スケッチブック代1,000円)。見学や体験も受け付けている。