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尼崎・ピッコロ劇団が設立30周年公演 「遠野物語」から着想した新作上演

左から谷口遼さん(遠野物語役)、演出の原竹志さん、樫村千晶さん(真野実役)

左から谷口遼さん(遠野物語役)、演出の原竹志さん、樫村千晶さん(真野実役)

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 尼崎市を拠点に活動する兵庫県立ピッコロ劇団の第79回公演「あしあとのおと、ものがたり」が5月31日から、県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター(南塚口町3)大ホールで上演される。

公演チラシ(表)

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 1994(平成6)年に設立された同劇団の30周年記念で、「30年の成長を見てもらう公演」として地元との結び付きを重視したという。劇団員の原竹志さんが演出を務め、劇団・コトリ会議の山本正典さんが兵庫県出身の柳田國男作「遠野物語」から着想した新作を上演する。山本さんとピッコロ劇団との創作は初めて。原さんは山本さんについて、「人の心の動きを大事にして脚本を書かれている。例えば生と死、大人と子どもの境目のような、いろいろな境界線を揺らすのが得意」と話す。

 舞台は1年だけ死んだ人が生き返るという山に囲まれた町。主人公の大学生、遠野物語が先輩の真野実に交際を申し込むと、「1年だけなら」と答えを受ける。一方、祖父母と暮らしながら大学受験を控える高校生の小夜は、あることがきっかけで家を飛び出す、というストーリー。「大事な人とのお別れの仕方を、手探りで見つけ出そうとする人たちの物語」を描くといい、原さんは「こうあらねばならないという枠に縛られることの息苦しさが、楽になれば」と話す。

 中学生の団体鑑賞があることから、「中学生に、遠い話ではなく地続きとして考えてもらい、何を持ち帰ってもらうか」も作品の軸の一本としたという。「スマホで面白い動画が見られることが当たり前の時代に、演劇も面白いと感じてもらいたい」と意気込んだ。

 遠野を演じる谷口遼さんは「コトリ会議とピッコロ劇団の方法がどう交わるか。劇団が30年、自分も30歳という巡り合わせに運命的なものを感じながら頑張っていきたい」と抱負を話す。真野役の樫村千晶さんは「出演者として相手役が多かった原さんが今回は演出なので、いつもと違う関係性。経験がない役で探っていく感じだが、懐が深い原さんに聞きながら進めていきたい」と笑顔を見せた。

 開演時間は、5月31日=19時、6月1日=14時、2日=11時、8日・9日=14時。料金は、一般=3,500円、大学・専門学校生=2,500円、高校生以下=2,000円。未就学児入場不可。

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