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尼崎・ピッコロ劇団が文化庁芸術祭大賞受賞 アーカイブ配信を実施

左から、主役の橘義さん、同じく樫村千晶さん、台本・演出を手掛けた土田英生さん。表彰状を手に笑顔を見せる

左から、主役の橘義さん、同じく樫村千晶さん、台本・演出を手掛けた土田英生さん。表彰状を手に笑顔を見せる

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 尼崎市を拠点に活動する、兵庫県立ピッコロ劇団が本年度の第76回文化庁芸術祭演劇部門(関西参加公演の部)で大賞を受賞し、1月24日に贈呈式が行われた。

公演の一場面。役者同士の息の合った「アンサンブル(調和)」は、受賞理由に取り上げられ、広報の古川さんも「劇団の持ち味」と言う

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 毎年秋に開かれる文化庁芸術祭の参加公演には、演劇、音楽、舞踊、大衆芸能の4部門があり、それぞれ関東と関西の部に分かれる。期間中に行われる公演から文部科学大臣賞(芸術祭大賞、同優秀賞、同新人賞)が選ばれ、昨年12月24日に結果発表があった。

 受賞公演は、昨年10月9日~14日に県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター大ホールで行った第71回公演「いらないものだけ手に入る」。京都の劇団「MONO」代表で、劇作家・演出家・俳優として活動する土田英生さんが台本・演出を手掛けた。

 「分断」をテーマにSFとラブストーリーが融合したオリジナルの新作で、シェークスピア作「ロミオとジュリエット」に想を得たという。何百年も先の未来、地球から遠く離れた「スペースコロニー」を舞台に、地球で起こった戦争の影響を受けていく中、それぞれ違う出自を持つ幼なじみの男女の恋愛の行方を描く。主人公の「松尾露美(ろみ)」役をピッコロ劇団所属俳優の橘義さん、「坂下樹里(じゅり)」役を同じく劇団員の樫村千晶さんが演じた。

 受賞理由は作、演出、演技全てに及び、「土田英生の軽妙かつ批評的な劇作と、個々の役者を生かす的確な演出が光った。また主役の橘義、樫村千晶をはじめ、孫高宏・菅原ゆうきら劇団員が息の合ったアンサンブルを見せてくれた」とそれぞれ高い評価を得た。

 贈呈式で土田さんは「19年ぶりに参加させてもらったピッコロ劇団の公演が評価され、大変喜んでいる。キャスト、スタッフ、劇団員がまとまった結果。時期(の影響)で打ち上げすらできなかったので、落ち着いたら皆で集まり祝杯を挙げるのが願い」と話した。橘さんは「いつもどこかで誰かが誰かとせりふを合わせている、そんな公演だったので、受賞理由にアンサンブルが良かったと取り上げてもらえてとてもうれしい。土田さんと出演者とスタッフ全員のチームワークがこの受賞につながったとしみじみ思った」と振り返る。樫村さんは「贈呈式で土田さんと再会し、改めて受賞を実感した。何かをつかみそうになってまたこぼれてしまって、稽古、稽古、稽古。その日々を懐かしくいとおしく思いながら式に出席した。スタッフ、出演者、土田さん全員で集まり受賞を喜び合い楽しく振り返りたい。そんな日が来るように」と思いをはせる。

 同劇団代表で、劇作家・演出家・俳優の岩松了さんは「土田さんとは昔からの知り合いで誕生日も同じ、同じ職業の仲間」と言い、「この舞台の制作に関わってくれた土田さんをはじめ、皆さまに心から感謝している」と話す。

 現在、視聴用のウェブサイトで公演映像のアーカイブ配信を行っている。配信視聴券は2,000円(別途購入手数料が必要)。視聴券販売は2月28日まで、配信は3月31日まで。

 ピッコロシアター・同劇団広報交流専門員の古川知可子さんは「SF的世界と『ロミオとジュリエット』という奇想天外な設定が、演劇らしい仕掛けの作品。軽妙な会話のコメディーでありながら奥深い物語となっている。土田さんによるせりふと丁寧な演出が、劇団のアンサンブルの魅力を存分に引き出してくれた」と話し、アーカイブ配信について「期待して見てほしい」と呼び掛ける。

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