尼崎市を拠点に活動するピッコロ劇団の公演「スカパンの悪だくみ」が5月23日から、県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター(尼崎市南塚口町3、TEL 06-6426-1940)で上演される。
同劇団が2019年5月に始めた、17世紀フランスの劇作家・モリエールの喜劇を関西弁で上演するシリーズ「関西弁で、モリエール」の第2弾。市が新たな演劇作品の発掘などを目的に主催する「近松賞」を2014(平成26)年に受賞した上原裕美さんが台本を、同劇団所属の俳優・孫高宏さんが演出をそれぞれ担当する。
同作の舞台はイタリア・ナポリ。「オクターヴとレアンドルは、それぞれの父親が船旅に出ている間に恋人を見つけるが、身分の違いなどで親の許しは到底得られそうになかった。困った2人に助けを求められた侍従のスカパンは、次々と策略を巡らせる」というストーリー。
4月16日に行われた制作発表会見で孫さんは「最下層の階級であるスカパンが、知恵を働かせて上の者に仕返しをするという部分は面白いと感じている。この構図は現代でも通じるものがある。見終わった後すっきりするような舞台にしたい。同時に、『どうしようもない、解消しきれない』といった切なさも表現できれば」と意気込んだ。
上原さんは「大阪弁独特のエネルギッシュさや楽しさがある仕上がりになった。全てを関西弁にするとベタッとしてしまうので、登場人物のキャラクターを際立たせる『関西弁度』を調整するのが大変だった」と話した。
開演時間は、23日=15時、28日=19時、29日=15時、30日=11時・15時、6月1日=15時(新型コロナウイルス感染状況により中止または変更あり)。料金は、一般=3,500円、大学生・専門学校生=2,500円、高校生以下=2,000円。