電気設備工事などを展開する山口電気工事(尼崎市稲葉荘1、TEL 06-6416-7441)が2月10日、県立尼崎工業高校の生徒を対象に「新社屋見学会」を行った。
今年7月の完成を目指し現在建築が進む新社屋は、建物で消費する年間の1次エネルギー収支を「実質ゼロ」にすることを目指した「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」。高断熱性能木製サッシの採用や地中熱利用、高効率空調機器、太陽光発電パネルなどの導入、天窓による自然採光の活用など、省エネと快適性を実現するさまざまな特長を持つ。ZEBによる建築物は尼崎市内初。
同社では昨年から、高校や専門学校を訪問し自社の取り組みなどを紹介する活動を進めており、尼崎工業高校でも電気科の1年生を対象に、発電所から各家庭にどのように電気が届くのか、電気の届かない国や地域の現状、クリーンエネルギーの重要性、SDGsとビジネスの関連性らをレクチャーする出前授業を実施した。今回、「普段見学することのできない建築現場の状況を目で見て、臨場感を感じてもらいたい」という思いに加え、まだまだ認知の低いZEBの知識を少しでも深めてもらおうと、新社屋見学会を企画した。
この日参加したのは、同校電気科に通う2年生の生徒ら。建築作業中の現場を担当者が案内しながら、クイズを交えた質問形式で見学が進行した。生徒からは「座学では目にすることができない現場を見ることができた」「省エネだけが目的ではなく、いかに快適に過ごせるかを考えるのも大事だと思った」「将来を考えるきっかけになった」「自分もこういった現場で働きたい」」などさまざまな声が聞かれた。
担当者は「ZEB、CLT、環境、省エネなどのワードに興味がある様子で、話に聞き入っていた。中でもZEBについては存在を知らなかった生徒も多く、仕組みに驚いていた。今後もこういったイベントを実施する予定。社屋完成後も、『なぜZEBが必要なのか』などについて伝えていければ」と話す。