株式会社地域環境計画研究所
近畿圏を中心に地域活動支援や中心市街地活性化、地域ブランド、着地型観光等のコンサルティングを行っています。地元・尼崎に密着して、名物コンテスト「メイドインアマガサキ」や、尼崎南部再生研究室としてフリーマガジン「南部再生」、かつて栽培されていた「尼いも復活プロジェクト」、“みんなが先生・みんなが生徒・どこでも教室”がコンセプトの「みんなの尼崎大学」など、魅力を多方面から掘り起こすプロジェクトに参画中。
■尼崎長期インターン生 笠原実季さんにインタビュー
笠原 実季 大阪市立大学大学院 生活科学研究科 修士1年
インターンシップで担当した業務内容
「みんなの尼崎大学」取材・インタビュー記事作成、オープンキャンパスの企画・運営のほか、社内座談会の企画・構成、当日ファシリテーション、実施結果を社内用ニュースレターとして作成。
インターンシップのゴール
「地域の人と場所をつなぐ」活動の一端を知り、将来的に場づくりや切り盛り方法を再現できるようになること。
-インターンを始めようと思ったきっかけは?
私の生まれた長野県原村は人口7000人ほどの集落です。将来は地元に戻り、急激に過疎化が進んでいくまちで、働き暮らしていける場づくりや豊かな暮らし方を提案できる人になりたいと考えています。そこで、大学院では、暮らしの根幹を支える建築のあり方を学んでいますが、ハード面を勉強することが多く、建物をどう活用して交流の場をつくるかといったソフト面を考える機会が少ないんです。そこで、インターンシップを通して、地域に生きる人たちと関わって、場所やまちについて考えられるスキルを身につけたいと思いました。
-株式会社地域環境計画研究所を選んだ理由は?
「みんなの尼崎大学」プロジェクトは、まさに市民自らが暮らしやすい環境をつくり出す動きの表れです。「動きをつくり出すきっかけは何なのか」を学び取って、自分の生まれ育ったまちに持ち帰りたい。また、社内が少数精鋭で、スタッフ一人一人が裁量権を持って仕事しているところにもひかれ、どうやってチームワークを発揮しているのかを体感したいと思いました。
-印象に残る仕事はありましたか? その感想も教えてください。
大学で関わっている建築プロジェクトでは、つくり込んで完成してからフィードバックをもらうことが多かったので、動きのあるものを扱うことがあまりありませんでした。今回のインターンシップでは、普段の打合せでも、その場のみんなで話し合って合意形成を図り、みんなでつくり上げていくところがとてもおもしろいと思いました。完成したものを見るのではなく、つくっていく過程を見ることができたのが良かったです。
-インターンシップを経て、「自分が成長したなあ」と思うところは?
人前で話すのはあまり得意ではなかったんですが、実際にイベントの企画や運営に携わる中で、話すことが楽しいと思えるようになったのは成長した部分ではないでしょうか。イベントで自分が話して、それに対して会場から反応があることや、想定していたものとイベント当日に生まれるものと違いがあることを体感できました。
-今回のインターンシップで学んだことを、今後どのように生かしていきたいですか?
「みんなの尼崎大学」オープンキャンパスで体感した人と人、学び、交流の場づくりを、大学院で取り組んでいる長屋再生プロジェクトに生かしたいと考えています。就職活動では、仕事に対して、まちづくりの目線でアプローチする力を持つことで、会社のプロジェクトを通して自分のやりたいことを実現したり、事業そのものを立ち上げたりできるようになりたいと考えています。
-最後に、尼崎で働いてみた感想を教えてください。
人がおもしろい。みんな、尼崎のことを好きですよね。暮らしに対するこだわりも強いと思いました。毎日、普通に生活するのではなく、自分たちでまちをもっと楽しくしようとしています。周りからのまちのイメージがあまり良くないという共通認識があって、それをバネにみんなで盛り上がろうとしているからでしょうか。尼崎をあまり知らない私にも、まちのことや想いを教えてくれるので、「私も頑張らなきゃ」と応えたくなる環境でした。尼崎が身近になったので、今後も何かあれば、また来たいと思っています。
■続いて、代表取締役社長 若狭 健作さんにインタビュー
若狭 健作 大学在学中から尼崎の研究を始め、卒業後、株式会社地域環境計画研究所に入社。2011年より代表取締役となる。
-インターン生を受け入れようと思ったきっかけは?
以前から出身校の関西学院大学の学生をはじめ、インターン生を受け入れたことはありますが、市内でのインターンシップという取り組みに関心があったので、手を挙げました。まちづくり業界も、いろんなイメージがあると思うんです。テレビに出てくるような、まちの人をつなぐという華やかな部分や、働き方がハードそうとか、「まちづくりのコンサルタント」という仕事自体にちょっと怪しいイメージもあったりするので、「まちづくりを仕事にする」ということが実際にどんなことなのか、次の年代の後継者たちに、この仕事を伝えたいなという思いもありました。
-インターン生を受け入れた成果はありましたか?
3つあります。1つ目は、笠原さんのようなインターン生という媒介があることで、自分の会社を客観視できるようになったことや社内のコミュニケーションがさらに取れるようになったこと。2つ目は、毎年ばんばん新卒採用する会社ではないので、一番若手だった社員がインターン生とともに仕事をすることで、「誰かに指示して一緒に仕事をする」という経験を積んでもらえたこと。3つ目は、笠原さん自身がインターンシップ後に、まちづくりの仕事をしたいと希望してくれていることが一番の成果じゃないかな。
-インターン生の笠原さんへメッセージをどうぞ!
出入り自由な会社でありたいと思っているので、いつでもふらっと遊びに来てください。逆に、笠原さんがこれから得る経験は、私たちにとっても新鮮なものだと思います。この後もまちづくりの仕事をするのであれば、また一緒に仕事ができたらと思いますし、弊社のパートナーとして一緒にできることがあったら良いなと思っています。
-最後に、尼崎で働く魅力について教えてください。
尼崎のおもしろい人たちと場をつくろうとしているので、笠原さんに「尼崎の人はおもしろい」と思ってもらえたのはうれしいですね。私自身15年ほど、尼崎に関わって仕事をする中での実感として、ここ数年で、おもしろい人たちの割合や、その人たちと出会う可能性が高まっていると思うんです。市の職員しかり、まちの人しかり。他と比較しても、このまちはちょっとおもしろくなっているなあと思います。尼崎で働く魅力というのはそういうことで、おもしろい人との遭遇率が高まっています。たとえば、「建築で何かしたい」と思った時に、それをおもしろくするパートナーに出会えるかもしれない。そういう人と人が出会えるような場をつくっているのが「みんなの尼崎大学」ですし、それに市を挙げて取り組んでいるのが、他のまちにはない尼崎の魅力なのかなと思います。
■続いて、インターン担当者 宮崎 絵里子さんにインタビュー
宮崎 絵里子 今回インターンシップ担当として笠原さんの指導にあたる。
-インターン生の活躍ぶりはいかがですか?
大活躍です(笑)! 若狭が申したように、私自身が指示する経験を積めたというのは良かったです。どんな指示をしたら相手にわかりやすく伝わるかなど、いろんな立場を想像することができました。笠原さんは自分が何をしたいのか、明確な意志があったので、それをそのまま実現すればきっと成果が出せる人だと思っていました。
-社内に変化はありましたか?
人の数が増えるということは、その分だけ、考え方や雰囲気にバリエーションが出るということだと思います。ずっと同じメンバーでは仕事のやり方も固定化する中で、笠原さんの会議での姿勢や仕事の進め方は、参考になる部分がありました。
-インターン生を受け入れた成果はありましたか?
社内座談会をしてくれたのがとても良かったです。一人一人がそれぞれに聞いてみたいことをカードにするという、カードゲーム方式で実施しました。笠原さんは質問上手で、一般的でありつつ答えやすい質問を投げてくれて、本当に会社のことをよく見ているなと思いました。この業界は外に開いている分、普段はまちのいろんな人と関わることが多くて、社員同士でじっくり話をする時間を取りにくいんです。社内でコミュニケーションを取ったり理解し合えたりするきっかけを笠原さんがつくってくれました。
-インターン生の笠原さんへメッセージをどうぞ!
地元で、楽しい暮らしができると良いですよね。また近況を教えてください。これからも座談会をしに来てください(笑)。