阪急武庫之荘駅近くで27年続く「アローミュージックスクール」（尼崎市南武庫之荘1、TEL 06-6438-8005）が7月1日、ジャズに加えポップスやクラシック、吹奏楽などにも対応した総合音楽教室として再出発した。

トロンボーンのレッスン風景

　58年の歴史を持ち、ジャズ愛好家の間では広く知られる「アロージャズオーケストラ」がプロデュースする同音楽教室。かつて「東洋一のナイトクラブ」とうたわれた大阪・堂山町の「クラブアロー」のハウスバンドとして誕生し、現在でも楽団員17人全員が固定メンバーとして活動しており、そうしたビッグバンドは全国でも他に例がないという。クラブの閉店後、移籍したプロダクションの所在地であったことから、現在は武庫之荘に本拠地を置いている。

　同教室では、リーダー宗清洋さんをはじめとした同楽団員を中心に、第一線のプロミュージシャンたちが講師を務めており、個人を慕って入会する生徒も多いという。近年、ジャズに加えポップスやクラシック、吹奏楽と幅広い音楽ジャンルを志す生徒が集まるようになったことを受け、運営会社が現アララプランニングに移行したことをきっかけに、正式名称を「アローミュージックスクール」（旧アロージャズオーケストラミュージックスクール）に変え再出発を果たした。

　レッスンコースは「ボーカル」「コーラス・ゴスペル・アカペラ」といった歌のコース、「ピアノ」「ギター」「ベース」「ドラム」「サックス」「トランペット」「トロンボーン」「バイオリン」といった器楽コース、楽譜を離れコードネームでアドリブ演奏できるよう指導する「アドリブクラス」、ソルフェージュなどクラシックの基礎からコードによるアドリブ演奏まで学べる「キッズクラス」など、多岐にわたる。全11室あるレッスンルームは、空きがあれば1日2時間まで無料で生徒に開放している。

　同教室でジャズ・トロンボーンを学ぶ井浪（いなみ）直子さん（28）は、「中学・高校と吹奏楽をやり、いったんはOLになったものの、やはり音楽の道を目指したいと音大に入り直した。現在はここで学びながら、少しずつライブ活動も行っている。レッスン室を開放してもらえるので毎日のように通っており、先生やスタッフたちとは家族のように親しい仲」と笑顔を見せる。

　同社代表で教室のマネジャーを務める荒清（あらせ）達也さん（54）自身も生徒の一人。これまでは阪急百貨店吹奏楽団、伊丹市吹奏楽団で30年にわたりサクソホンを演奏し、5年前からジャズの道へ。「生徒目線だからこそ教室に対する実際のニーズに合わせることができた。より多くの人に親しまれる教室にしていけたら」と意欲を見せる。「教室にある談話スペースでは先生、生徒の隔てなく気さくに音楽話で盛り上がっている。初心者からプロを目指す人まで、さまざまな人が『音楽が好き』という思いでつながれる場所。気の合う音楽仲間が見つかるのでは」とも。

　営業時間は13時～21時（日曜は10時～18時）。木曜・祝日定休。