リリース発行企業:宝塚ふじいクリニック
宝塚ふじいクリニック(院長:冨士井睦、場所:兵庫県宝塚市中州1-1-1)は、脳卒中後遺症の治療とリハビリテーションに特化したクリニックを、2024年11月15日に宝塚市の阪急逆瀬川駅前にオープンしました。脳卒中の後遺障害は人によって千差万別であり、幅広く精通している医師は非常に限られています。そのため患者さんは生活の質(QOL)がベストとはいえない状態のまま過ごしていることがあります。院長は20年以上の脳卒中の治療経験を通して、もっと気軽に脳卒中の後遺症全般について相談・治療できる場の必要性を痛感し、クリニックの開設を通して地域医療における新たなモデルを構築して行こうとしています。
【脳卒中の後遺障害を診ることが得意な開業医は少ない】
院長 冨士井 睦
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって脳が障害を受ける病気で、日本人の死因の第4位の多さとなっています。また介護が必要になる原因疾患としては、認知症に次ぐ第2位となっており、後遺症が残る代表的な病気であるといえます。この後遺症は、脳のダメージの受け方により程度や種類はさまざまではありますが、運悪く症状が残った場合は自宅に退院後も後遺症とつきあっていかなければなりません。
また脳卒中は再発する可能性のある病気もありますので、その危険がないか脳の画像を定期的にチェックしたり、内服薬を継続したりしていく必要があります。しかし現在の医療システムでは、多くの場合、発症時に救急搬送された大きな病院へは脳の画像検査を受ける目的で時々通うだけのものですし、薬はかかりつけ医となった内科系医師に通うことで処方はしてもらえますが、どちらも患者さんの後遺障害をよいコンディションに整えるための相談を十分にできる場とは言えません。なぜなら脳卒中のさまざまな症状を理解・精通しているためには、救急治療や内科の知識だけではなく、リハビリテーションの知識がたくさん必要だからです。しかしリハビリテーション科専門医は全国でも2000人程度と大変少なく、その中でも脳卒中を診ている医師は限られ、さらに開業しているとなると極めてまれなので、このようなクリニックをかかりつけにできるケースは現状ではほとんどありません。
【脳卒中の後遺障害には長期的に医学的に関わるべき症状がある】
院長は子供のときに父が脳梗塞患者であった経験から、医師になってから20年以上脳卒中関係の診療に携わってきました。脳神経外科専門医として救急病院で治療を行い、またリハビリテーション科専門医として後遺症の診断・治療を行ってきました。その中で、障害を負った患者さんがいつも困るのは、自宅に退院したあと、後遺障害について相談したりよい治療を受けるための適切な行き場がほとんどないことであると知りました。実は脳梗塞の後遺症状のうち、麻痺による歩きにくさに対する装具・痙縮治療、むせやすさ・のみこみにくさに対する嚥下障害の診断と治療、そして言葉のでにくさ・しゃべりにくさに対する言語聴覚療法については、自宅に退院してからも継続して治療を行うことで引き続き改善がみられたり、よいコンディションを保つことができたりすることがあります。したがって、しっかりと診察や訓練を継続して長期的に関わる場が必要なのです。また後遺障害に応じた社会資源の獲得については、自宅退院からしばらく経ってからの時期に申請が可能となるものもあります。しかし医師が後遺症に詳しくないとこのような提案を医療機関から受けることが困難な場合もありますので、やはり退院後は脳卒中後遺症について経験を積んでいる医師がかかりつけ医になっておくメリットは大きいといえます。そこで脳卒中の後遺障害がある患者さんに生活の質(QOL)の向上を目標とした十分な治療を気軽に受けていただくために、勤務先を辞めてクリニックを開業するに至りました。
逆瀬川駅前の、クリニックが入居するビル「アピアきた」
【具体的な診療内容について】
当クリニックならではの特徴としては、まず1.脳卒中後の麻痺や上下肢痙縮に対してボツリヌス療法や装具療法を行い、痛みを緩和したりよりよい状態で歩行が継続できるように調整すること、2.脳卒中患者に限らず高齢者の増加などにより増えている「むせやすさ」「飲みこみづらさ」といった嚥下(えんげ)障害に対して、嚥下内視鏡検査(えんげないしきょうけんさ)による検査・診断を受けることができること、3.院内で言語聴覚療法を行っていること、すなわち、言語聴覚士(ST)による神経心理検査、認知機能検査、失語症・嚥下障害に対する通院リハビリテーションが行えること、そして4.(近隣のみですが)リハビリテーション科医として活動性を重視した訪問診療を行っていること、特に通院ができない嚥下障害の患者さんに対しても、嚥下内視鏡を持参しての検査を自宅内で行い、訪問STと連携をとることで、改善にむけたリハビリテーションにつなげることができること、などが挙げられます。このように痙縮、失語症、嚥下障害など長期的な改善が見込まれる領域において、継続的な丁寧な診察を行い、専門的な治療が受けられる環境を提供することで、患者さんの活動性の維持と向上に寄与し、ひいては脳卒中の予後の改善に貢献できることを希望しています。
クリニックの内部
【問題点と使命感について】
問題点としては世間への周知の不足と患者人口があまり多くはないという点が挙げられます。現在のところ、麻痺が残っていて支障があることや、飲みこみにくさあってむせていることなどは、相談しても仕方がないことと捉えられている風潮があり、どこかのクリニックでよい状態を保つために診察を受けられる機会がある病態であることすら一般にはあまり認識されていないように思います。それともう一つ、患者人口についてですが、たとえば宝塚市は人口22万人以上の都市ですが、毎年新規に嚥下障害や失語症を含む「音声・言語・そしゃく機能障碍」の身体障害者手帳を発行することになる患者数は100人前後と比較的希少な疾患です。これらの理由のために、なかなか必要な後遺症をお持ちの方の元に情報が届かないというところも現在の問題点だと考えています。
それでも院長は「これまで得た知識と技術を最大限還元し、脳卒中患者さんの予後改善に取り組むことが私の目標であり夢です」と語っており、「たとえ最初は赤字路線でも必要な治療を継続したい」との信念をもっております。障害者に寄り添った全人的医療を広く提供するために、このたびクリニックを開設しましたが、このクリニックで行うことが、地域医療における新たなモデルとなっていくことも期待されます。
説明中の院長
お問い合わせ先
宝塚ふじいクリニック・院長 冨士井 睦(ふじいむつみ)
所在地:〒665-0021 兵庫県宝塚市中州1丁目1-1 アピタきた2F
1.FAX:0797-91-6077、2.電話番号:0797-91-6076
クリニックのURL: https://tfj-c.com/
このプレスリリースは地域住民および医療関係者への情報共有を目的として作成されました。