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伊丹の古書店「みつづみ書房」が移転2周年 知的好奇心くすぐる本と出合う場に

「みつづみ書房」外観

「みつづみ書房」外観

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 古書店「古書みつづみ書房」(伊丹市宮ノ前3)が移転オープンして2周年を迎えた。

店内の様子

 店主の三皷由希子さんは、印刷会社を経て2016(平成28)年にシェアオフィス「ベランダ長屋」(現在は閉業)で同店を開業。2017(平成29)年9月に現在の場所へ移転した。店舗面積は5坪。

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 コンセプトは「知的好奇心をくすぐる本が並ぶのんびりできる場所」。店内はフローリングで土足厳禁。社会科学、哲学書、美術書、絵本などさまざまなジャンルの本が並ぶ。開業のきっかけについて三皷さんは「夫婦ともに古本好き。夫が東京へ単身赴任中に集めた古本も大量にあったので」と笑う。

 三皷さんが「面白い」と感じるフリーペーパーや、ニッチでマニアックなテーマのリトルプレスなども置いており、それらの本に関連したゲストを招き開くイベントには毎回多くの参加者が集う。三皷さんは「発酵の魅力にハマり『発酵デザイナー』として活動する小倉ヒラクさんの本にちなみ、バリエーション豊富な発酵食品を食べるイベントを開催したり、各地の団地を紹介する雑誌『団地ブック』を手掛ける『チーム4.5畳』のメンバーを招いたトークショーを開催したりとジャンルはさまざま。ウォンバット愛好家が発行する雑誌の著者と動物園にウォンバットを見に行くツアーを行ったところ、県外から参加してくれた方もいた。これからも積極的にイベントを開いていきたい」と意気込む。

 店内では、尼崎市・園田の「生豆本舗」から取り寄せる豆を使った「コーヒー」(400円)や、つまみ付きで提供する「ビール」(450円)、「季節の和菓子」(250円)、阪急伊丹駅近くのフランス菓子店「patisserie usagui(パティスリー ウサギ)」が、みつづみ書房のために製作した「オリジナルビスコッティー」(220円)、茶道を学んだ三皷さんがたてる「お抹茶」(500円)なども提供する。茶道は「激務に追われ、読む本も自然と自己啓発本などに手が伸びる生活だった会社員時代」に疲れ果てた先に学んだといい、「例えば、たてたお茶を提供してすぐに味の感想を聞くなんてことはしない。会話なくとも成立する茶道の世界観に触れ、『答えばかり求めていたな』と痛感した」としみじみ振り返る。

 客層は地域住民を中心に小学生から年配客まで幅広く、本探しに加え店内で宿題を済ます子どもや、お茶やビールを飲みながら三皷さんとの会話に興じる人など用途や楽しみ方もさまざま。三皷さんは「店のコンセプトである『のんびりできる場所』を保ちたい反面、並びきっていない本を置く棚を増やしたいというジレンマを抱えている」と吐露。解消法の1つとして、他店に「サテライト本棚」を設置する取り組みを進めており、「ビスコッティーを提供してくれている『パティスリー ウサギ』さんなどに協力を依頼し、店の特色に合った本を並べている。今後も増やしていけたら」と話す。

 本に触れる機会の創出やニーズのリサーチなども兼ね、地域イベントへの出店も精力的に続けている。「フードやゲームブースに並んで古書店を出店していると、祭りに来たついでに興味深そうに本を眺める子どもや、『小さい字は読みにくいのよ』といいながらうれしそうに本を選ぶ年配の方などさまざまな人と出会う。小さい頃から読書習慣を身に付け、琴線に触れる瞬間を体験していれば、一度本から離れても戻ってくることができる。小さい時いろんな本を目にした経験が大人になって役立つことも。本に触れる機会をたくさんつくっていきたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は平日=13時~20時、土曜=11時~20時、日曜=11時~17時。月曜・祝日定休。

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