尼崎城（尼崎市北城内）前に現在、「尼崎城シャチホコポスト 銀鯱（ぎんしゃち）」が設置されている。

丸ポストに鎮座するシャチホコ

　尼崎城再建を記念し「観光名所となるようなポストの設置を目指そう」と、尼崎・伊丹の郵便局などでつくる「尼崎シャチホコポストの会」が設置したもので、天守閣の鯱瓦（しゃちがわら）を型取り約3分の1に縮小したレプリカが、赤い丸ポストの上に鎮座する。同会メンバーで伊丹桜ケ丘郵便局局長の堺洋之さん、尼崎塚口六郵便局局長の西田明生さんが、市役所や地元企業などへ協力を依頼、交渉を重ね実現に至った。

　シャチホコは、造形3Dデータを尼崎城プラモデルの商品化を目指すプロジェクト「プラモ尼崎城」が提供し、地元でプラスチック製品製造などを手掛ける中野製作所（尼崎市潮江）がABS樹脂削り出しで作成。西田さんは「ポストの上に何を載せるか検討する中、造形が難しく悩んでいたところ、『プラモ尼崎城』が第1弾として制作していた『シャチホコプラモ』を知り、ユーモラスであり魅力的で、尼崎を盛り上げるために造形物を作るというところに親近感を覚え協力を依頼した。天守閣の鯱瓦は2つが対になっているが、ポストの上に2つ載せると小さくなってしまうので大きなシャチホコを1つデザインすることに。カラーは稲村和美尼崎市長にも相談して銀色に決め、ニックネーム『銀鯱』と名付けた」と振り返る。

　ポストの隣には、鯱瓦の説明やポスト設置の由来とともに「鯱がここから出されたお手紙を守り、幸せを運んでくれることを祈ります」とのメッセージで締めくくられた案内板も設置する。西田さんは「市内からはもちろん全国各地から尼崎城へ見学に来ていただき、その思い出を手紙にして出してほしい」と思いを込める。