「馬刺し・季節料理 兆治」(尼崎市南武庫之荘3、TEL 06-6423-9929)が南武庫之荘の北図書館隣にオープンして3カ月がたつ。
落ち着いた色調の店内で全席を半個室にし、ゆったりとくつろいだ雰囲気を演出する。店舗面積は15坪、席数は32席。
店主の建元昌仁さんは伊丹出身。かつて、阪急武庫之荘駅近くで約30年にわたり親しまれていた同名の日本料理店で21年間修業。当時の名物店主で建元さんの義父でもある故・伊藤栄四郎さんの味をたたき込まれたという。阪神大震災で店は半壊し、復活を遂げたものの、15年前に惜しまれつつ閉店した。「それからというもの、串カツ店、ラーメン店、焼き肉店など阪神間のさまざまな飲食店を転々とした。中華とフレンチ以外は一通り経験した。2年前、もう一度この街で兆治をやりたいと思い、物件を探し始めた」と振り返る。「兆治の味を守りながら、今のこの街に合いそうな名物料理をと思い、馬刺しを看板にした」と話す。
メニューは、熊本産の新鮮な馬肉を使った馬刺しを中心に、海鮮、すし、鍋など旬の食材を使った季節料理を幅広く提供する。馬刺しは上赤身(1,000円)、上ロース(1,200円)、最上級霜降り大トロ(2,500円)などの単品、3種盛り(1,500円)、5種盛り(1,800円)、桜ユッケ、馬刺しカルパッチョ、馬刺しユッケ丼(以上980円)などのアレンジメニューも用意する。
鍋料理は「かつての兆治の自慢料理。特にちゃんこ鍋は、豚骨などを長時間煮たコクのあるだしや、すり鉢に山盛り一杯の具材が評判だった」と建元さん。これに加え、チゲ鍋、イベリコ豚のハリハリ鍋を予約限定のコースで提供する(各3,000円、2人前~)。
ドリンクメニューは、生ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」(ジョッキ=500円、メガ=800円)、ハイボール、チューハイ、焼酎、ワイン各種(380円~)など。「おすすめ地酒」(700円~)は季節に合わせ6種類を用意する。
「昔の常連さんが『もしかしてあの兆治か?』と来店してくれることがあり、うれしい。おやじさんは当時、誰も思い付かなかったような新しい料理を次々に繰り出す、先見の明の人だった。おやじさんに伝授してもらった味を守りながら、新しいお客さまにも喜ばれる料理を提供していきたい」と笑顔を見せる。「昔人気があった兆治の唐揚げを復活させたくて、ランチを始めることも計画している」とも。
営業時間は17時~24時。水曜定休。