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尼崎のスパゲティ専門店「タント」40周年 看板メニューは「なすとベーコン」

会長の米田さん(左)と3代目社長の猪谷さん

会長の米田さん(左)と3代目社長の猪谷さん

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 尼崎・阪急塚口駅近くのスパゲティ専門店「タント」(尼崎市南塚口町2、TEL 06-6427-8179)が7月7日、40周年を迎えた。

看板メニューの「なすとベーコン」をはじめ、スパゲティは約12種類

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 1978(昭和53)年の「塚口さんさんタウン」開業と同時にオープンした同店。最高で1日360人が食事するという人気店で、創業から40年たっても変わらず、ランチ時には行列ができる日もある。

 創業者で会長の米田健さん(81)は高校卒業後、石油会社など職場を転々とした後、24歳の時に飲食業界へ。有名ホテルや飲食店で経験を積んだほか、各国で料理や歴史、文化を学んだ経歴を持つ。

 42歳の時に店を持とうと一念発起。米田さんは「当時東京都在住だったが、関西に住む知人から阪急塚口駅周辺が発展すると聞き、見知らぬ土地ながら可能性に賭けて出店した」と振り返る。東京ではやり始めたスパゲティが関西でもはやるとスパゲティ専門店とし、8坪9席から夫婦2人でスタートした。当初は現店舗の左隣にある従業員用スペースを店舗として構えていたが、1991年に現在の場所に移転し、13坪25席と規模を拡大した。

 コンセプトは「新鮮な素材とその持ち味を大切に」。米田さんは「飾りや見掛けでごまかさない。本物にこだわった内容重視の料理を安価で提供することを追求している」と話す。素材を生かしたシンプルな料理の見た目が、その意思の強さを表している。

 看板メニューは「なすとベーコン」。創業時からの一品で、米田さんがイタリア料理の前菜「なすのグラタン」からアイデアを受けて作ったところ、客からの評判が良く、定着したという。

 米田さんは「料理人たるもの、思い付きで作った創作メニューは恥ずかしいという気持ちがあるので、『なすとベーコン』は提供を止めようと考えたこともあったが、お客さまから人気であるし、店のみんなも『看板メニュー』と自慢してくれているため、続けることにした」とほほ笑む。

 1986(昭和61)年にはカレー&シチュー専門店「アングル」、2013年にはピザ専門店「マーレ」を隣接地にオープン。他地域の商業施設から出店依頼もある中、同地に親しみがあり、従業員を大切にしたいとの思いから全社員に目の行き届く距離感にこだわったという。

 今年6月には3代目社長に猪谷修一さん(46)が就任。1992年に学生アルバイトとして勤め始め、現在に至る。米田さんは「アルバイトからこうしてオーナー社長になる人材が育ってくれてうれしい。当店の神髄を大切に、新しい世代ならではの変化を見せてくれると期待している」と笑顔を見せる。

 猪谷さんは「プレッシャーはあるが、店を次の世代につないでいけるように若い世代を育てたい。従業員を大切にすることで、お客さまにも良い食事、環境を提供できると考えている」と意気込む。

 営業時間は11時~23時(土曜・日曜・祝日は22時まで)。

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