食べる

尼崎・立花「星屋」が58周年-長崎ちゃんぽんの人気根強く

看板メニューの「長崎ちゃんぽん」

看板メニューの「長崎ちゃんぽん」

  • 17

  •  

 JR立花駅南口にある「星屋(ほしや)」(尼崎市七松町1、TEL 06-6416-4374)が4月で58周年を迎える。同店の「長崎ちゃんぽん」は地元に根強いファンを持つ人気メニューだ。

厨房で腕を振るう店主の赤星さん

[広告]

 店主の赤星典秀さんの父親で、長崎生まれの先代が立花で店を出したのが1957(昭和32)年。1960年代から「長崎ちゃんぽん」を出し始め、客の声に合わせメニューに改良を重ねながら人気を集めてきた。看板メニューは「長崎ちゃんぽん」(880円)、「長崎皿うどん」(850円)、「尼崎あんかけチャンポン」(980円)など。先代が開発した「星屋オリジナル中華冷麺」(850円)もおすすめだという。

 今でこそファンの多い同店の長崎ちゃんぽんだが、当初、本場長崎の味は尼崎の人々に簡単には受け入れられなかったという。当時の尼崎では、ちゃんぽんといえばあっさり味でとろみのついた「あん」のかかったものが「常識」。先代が作った「長崎ちゃんぽん」に対し、「何んであんがかかってないねん?」と客は問いかけたという。現在ではご当地グルメとして定着した「尼崎あんかけチャンポン」だが、九州から来た先代にとっては驚きだったことだろう。

 赤星さんは先代が伝える長崎の味をさらに習得するため、学校卒業後に九州で5年間修業。25歳で立花に戻り、以来32年にわたり店を守る。その間、ちゃんぽんを食べに来た客もそうでない客も満足してもらえるようにと和・洋・中の幅広いメニューを取りそろえ、客の心をつかんできた。「一人で来ても大勢で来ても食べたいものがある、それが星屋だ」と赤星さんは自信をのぞかせる。

 同店を訪れる客の目当てはもう一つある。それが多種多様な酒のラインアップだ。焼酎100銘柄、日本酒60銘柄、その他を含めると計200種類は下らないという。日本酒では「獺祭(だっさい)」の「二割三分」、10年熟成の「くどき上手」、焼酎「森伊蔵」かめつぼ仕込みなどをそろえる。

 同店には数十年来の常連客も。「数年ぶりに立花に帰ってきた古い客が立ち寄り、近況報告してくれるのがうれしい」と赤星さん。「先日亡くなった長崎出身のおじいちゃんは30年来の常連。人生の最後にうちのちゃんぽんが食べたいと言い残したことを聞きつけ、ちゃんぽんをご仏前に届け、親せきの皆さんと一緒に食べてもらった」という。客の願いにはどこまでも応えたいという赤星さんの思いが、ここにも表れている。

 営業時間は11時~22時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース