尼崎市立の博愛、梅園、富松、武庫庄、武庫南幼稚園が3月31日、各園の歴史を閉じる。
市では少子化や人口減少を受け、2012年に「幼稚園教育振興プログラム」を策定して市立幼稚園の統廃合を進め、同5園を本年度で廃園することとなった。
1890(明治23)年創立で、125周年を迎えた博愛幼稚園はじめ、いずれの園も40年以上の歴史を持ち、地域の多くの子どもたちを見守り、送り出してきた。各園では2月23日から1週間、卒園生、保護者、地域の人々に園舎を開放し、訪れた人は思い出の園との別れを惜しんだ。
博愛幼稚園の野口弥奈子園長は「昔々尼崎城があり、忍者が本当にいたと記されているこの地域で、子どもたちは『はくあい忍者』になって遊んだ。遊びながら学び、豊かな心が育つことをこれからも願っている」と話す。
他園の代表は「子どもたちと地域の人々が一緒に、たくさんの自然体験を行った。健やかな体と豊かな心で、意欲的に遊ぶ子どもに育ってほしい」(富松・千原智美園長)、「たった13人の園児たちと過ごした今年度は、全てが印象に残っている。当園の思い出を大切に、これからも成長してほしい」(梅園・山崎祥子園長)、「地域の人々の好意で毎年行った、レンゲ摘みや芋掘りが忘れられない。自分で考え、行動できる人になってほしい」(武庫庄・吉田しのぶ園長)、「子どもたちが次第に、自主的に遊びを進めていけるようになった姿が印象的。優しい心で、健やかに育ってほしい」(武庫南・富岡尚子園長)と、それぞれ卒園生たちへメッセージを残した。