尼崎の広済寺(尼崎市久々知1、TEL 06-6491-0815)と近松記念館(久々知1、TEL 06-6491-7555)で10月25日、「大近松祭」が開催される。
「東洋のシェークスピア」と称される江戸時代の劇作家、近松門左衛門の墓所が広済寺にあることから、尼崎市では30年前より「近松のまち・あまがさき」を掲げ、近松を現代によみがえらせるという意味合いの「近松ナウ」というコンセプトの下、多彩な文化事業を展開している。同祭はその一環。
当日は広済寺で近松292年祭の法要と墓前祭を執り行った後、同寺に隣接する近松記念館で近松ゆかりの芸能を上演する。演目は人形浄瑠璃文楽座による「梅川・忠兵衛~傾城恋飛脚・新口村の段より」、今回初出演となる園田学園女子大学人形劇部による「天鼓」、浪曲師・春野恵子さんによる「女殺油地獄」、下坂部小学校浄瑠璃クラブによる「寿式三番叟(さんばそう)」、近松音頭保存会による踊りなど。
主催する尼崎市総合文化センターの石本文恵さんは「文楽の人形の動きや浪曲を間近に見ることができると好評で、毎年楽しみにしている人も。昨年は幅広い年齢層の人が延べ555人訪れた」と話す。「近松記念館ホールは定員100人程度のため、満席で入場できないことも。屋外テントにテレビモニターを設置して対応する予定」とも。
同館資料室では特別パネル展「近松を追うⅤ」が同時開催され、近松ゆかりの品々や晩年の近松と尼崎、広済寺との関わりを示す資料などを展示する。
開催時間は、広済寺での法要が11時、墓前祭が11時40分から。近松記念館での上演が12時30分から。入場無料。問い合わせ先は尼崎市総合文化センター(尼崎市昭和通2、TEL 06-6487-0910)。