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尼崎で「100年の森づくり」体験講座 種子の採集から植樹までを体験

「アマフォレストの会」会長の高木さん(左)と事務局長の山本さん

「アマフォレストの会」会長の高木さん(左)と事務局長の山本さん

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 尼崎市の南部工業地帯跡地にある「尼崎の森中央緑地」(尼崎市扇町)で9月26日から、「森づくり体験講座」が初開講される。主催は「アマフォレストの会」。

「森づくり体験講座」チラシ

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 兵庫県が推進する「尼崎21世紀の森」構想のリーディングプロジェクトとして開園し、約29ヘクタールの広さを持つ同緑地。「アマフォレストの会」をはじめとする県・市民団体や企業が県と一体となり、地域の気候風土に根差した原生植生や二次植生による緑地化を進めている。

 同講座は全5回の連続講座で、9月26日「開講式とオリエンテーション」、10月3日「森づくり体験1(種まき、苗木作り、除草)」、10月18日・11月14日「種子採集ハイキング」、11月28日「森づくり体験2(植樹、間伐)」という内容。

 「衰退した森を復活させたり、植樹したりという活動はよくあるが、森をゼロから、そして種集めからスタートすることは珍しい」と同会会長の高木さん。「買ってきた苗木を植えるのではなく、近隣の猪名川や武庫川流域、六甲山域に昔からある原生種を集め、種から育てることに意味がある。手間と時間のかかる作業だが、本当の意味での『郷土の森』をつくる手法。体験講座は貴重な機会となるのでは」と参加を呼び掛ける。

 こうした作業から意外な発見も生まれているという。「ソメイヨシノの原種である江戸彼岸桜はもっと北の地域でしか育たないと考えられていたが、猪名川流域に自生していたことから尼崎の森にも植樹してみたところ、大変よく育っている。千年桜ともなる長寿の木として知られているので、大切に守っていきたい」と同会の山本さん。

 「兵庫県にはかつて乱伐により荒廃した六甲山に、100年かけて森を復活させた経験と知恵がある。尼崎の森も100年後にそうなってほしい。私たちの次の世代にも森を見守ってもらうため、若い人たちにも参加してもらえたら」と高木さんは期待を寄せる。

 体験講座は参加無料。定員30人。ファクス(06-6438-4199)とメール(i.yamamoto3096@gk2.so-net.ne.jp)で申し込みを受け付けている。

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