兵庫県立尼崎病院と県立塚口病院が統合し7月1日、「県立尼崎総合医療センター」(尼崎市東難波町2、TEL 06-6480-7000)が開院した。
同センターは、市立尼崎産業高校の跡地に立地。地上11階建て、延べ床面積は約7万7000平方メートル。病床数730床、医師数約300人、看護師数約1000人の大型病院。院内にはカフェやコンビニ、屋上にはヘリポートを備える。
同センターの特徴は大規模な高度救急、専門医療の提供。ER総合診療センターなどの医師が救急初療を担当し、必要に応じて各専門科へと引き継ぐ「北米型ER体制」を取る「ER型救命救急センター」、MFICUを備える「総合周産期母子医療センター」、産科医バックアップのもと助産師が中心となって対応する「メディカルバースセンター」、30床の外来化学療法室や兵庫県内では導入事例が少ない動体追尾照射が可能な放射線治療装置などの最新診断・治療機器、カテーテルによる内科的血管内治療と外科手術を併用して進めることができる「ハイブリッド手術室」などを備える。
実際の医療現場を模した環境で診療技術の向上を図る「スキルラボ」や、教育研修室などを整備し人材育成にも注力。患者からだけでなく、センターで働く医師、看護師などスタッフからも信頼を得られる「マグネットホスピタル」、これまでの病院完結型医療から、地域と一体となった「阪神南・北地域完結型医療・介護」の構築を目指す。
病室内は大きく窓を取り、全てのベッドが窓に近接するように設計。低層棟と高層棟の間にガラスを多用し、市内のライオンズクラブから寄贈された庭園が望めるなど、明るい光や緑を多く取り入れ、患者への心のケアにも配慮している。
同センター経営企画部の春名常洋次長は「開院当初はホテルのようなシックな内観に戸惑う患者さんもいたが、診察や会計の順番を知らせる呼び出し受信機、庭園やカフェの導入などについて『これは良い』と好評を得ている」と話す。「旧病院から引き続き、地域の皆さまに愛され信頼され続ける病院であるために、より一層精進していきたい」とも。