尼崎の百合学院中学校高等学校（尼崎市若王寺2）で8月8日・9日、「みんなのサマーセミナー」を開講する。

「みんなのサマーセミナー」ポスター

　「街の人が互いに学び合う風土を尼崎に」との願いから、街の人が先生・生徒として参画する同セミナーは今回が初めて。「2日間限定の学校ごっこ」と題し、自身が学んだことを誰かに伝えたいと思う人を「先生」に、学びたい人は誰でも生徒として参加できる。

　地元女子校の教室を舞台に、2日間にわたり約170講座を開講する。講師は中学生、大学教授、僧侶、市長など。講座内容は「心と人生」「相続・遺言」「忍者」「お化け」などさまざま。希望者は無料で受講できる。

　実行委員長の加藤学さんは「まさに伝統と革新の街、尼崎にふさわしく、バラエティーに富んだ講座が集まった。すてきな講座を多くの人に味わってもらえたら」と受講を呼び掛ける。

　加藤さんは長年、教育関係に携わり、現在は武庫庄小学校児童ホーム・こどもクラブ責任者を務めている。セミナーでは朝礼や日直係、校歌や制服のTシャツ（有料）などもあり、学校を卒業して久しい人も懐かしい気分を味わえる仕掛けを用意しているという。

　きっかけは、28年前に名古屋で数人の市立高校教員が立ち上げた「社会科セミナー」を前身に持つ「愛知サマーセミナー」。同セミナーは現在、5万人超の参加者と2000以上の講座数を誇る規模にまで成長しているという。

　尼崎の魅力的な人が活躍できる場を作りたいと模索していた実行委員メンバーが2014年の愛知セミナーに参加したことから、尼崎版を実現しようと活動がスタートした。継続開催を視野に入れ、来年の「尼崎市制100周年事業」にも登録している。

　加藤さんは「この日から人生が変わるかもしれない。8月8日・9日は、ぜひ百合学院へ」と参加を呼び掛ける。

　実行委員会では現在、クラウドファンディングサイト「FAAVO兵庫」で初開講に寄せた支援を受け付けている。締め切りは7月30日まで。