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尼崎の若者支援団体が「支援型シェアハウス」開設へ クラファンで支援募集も

クラウドファンディングサイト「Good Morning」で支援を呼びかけている

クラウドファンディングサイト「Good Morning」で支援を呼びかけている

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 尼崎の一般社団法人「officeひと房の葡萄(ぶどう)」が現在、「自立支援型シェアハウス」開設の準備を進めている。

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 社会的居場所の創出、自立・就労・学習支援、哲学的対話事業など、さまざまな若者支援に取り組む同団体。6月に開設を目指す支援型シェアハウスは、家庭環境により進学や希望する就職が難しい中で急な自立を迫られ困窮する若者を対象に、生活をする上で必要なスキルや就労に関する知識と経験を身に付ける支援を行い、自立へ導くことを目的とする。

 シェアハウスを構えるのは、築55年の市営住宅2戸。広さは2戸合わせて約74.8平方メートル。同団体代表理事の赤井郁夫さんによると、開設場所が見つからず取り組みは難航していたが、昨年末に子ども食堂を運営する知り合いを通じて「コープこうべ」とつながったことで、大きく前進したという。「コープこうべが尼崎市から市営住宅空き室の有効活用について相談を受けていることを知り、現地見学を経て2戸を借りられることになった。建て替えが決まっているので、借りられるのは約10年」と話す。開設に先立ち、5月には団体事務所も同団地内別棟へ移転するという。

 長い間空き室の状態で水回りも古く、室内の改修が不可欠なため、改修や生活設備を整える費用を募るクラウドファンディングを立ち上げた。改修・設備費用、クラウドファンディング手数料など合わせて300万円を目標とする。主な改修として、「ベランダの仕切りを撤去して2戸をつなぐ」「1戸の台所と6畳間をLDK仕様に改造する」「各和室に壁を立て、鍵付きの個室5部屋を確保する」などを予定しているという。

 赤井さんは「これからDIYの日々が続くが、慣れないのでちょっと不安」と話すも、シェハウス開設へ向け、「貧困の世代間連鎖を断ち切るためさまざまな事業を展開する中で、1人暮らしの土台がないまま自立を迫られる若者がいると知った。若者には自立の土台となる場所が必要だと考えた結論が自立支援型シェアハウス。これが完璧な答えだとは思わないが、全ての若者に開かれた『当たり前の選択肢』として、役立つ場所となれば」と力を込める。

 入居対象は18歳~23歳の女性で、入居期間は2年を想定。団体への応募や児童養護施設・シェルターなど通じ、面談を経て入居を決定する。利用料は月額3万円程度を予定。

 クラウドファンディングは4月30日まで。

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