尼崎の洗浄機メーカー「ショウワ」(尼崎市久々知西町2)が現在、「合格祈願マスク」を製造・販売している。
食器や工業用の「業務用洗浄機」を作る同社は、2020年にマスク事業に進出。企画から生産、販売まで手掛ける。昨年2月には、米大リーグ、ツインズの前田健太投手のイラスト入りマスクを商品化した。
その後はマスクの供給過剰による逆風の中、個包装の袋(ピロー)の自動包装機を生かすべく袋へ印字できるプリンターを導入し、10月には「イベントマスク開発チーム」を発足させた。マスクの製造や同チームは、同社と関連企業「ショウワテクノ」の共同。若手女性社員7人を軸としたチームでは、アイデア出しだけでなく販売用ウェブサイトのショップページ開設も担うという。
開発会議にはショウワの藤村俊秀社長自ら参加することも多い。藤村社長は「社員の自主性を伸ばしたい。やりたいことがあればまずはやってみる。駄目なら修正すればいい。責任は社長の私が取る。ただ、求めるのは責任感を持って取り組み、失敗しても何かを学ぶこと。それができるなら社員からの要求に対し『NO』という理由はない」と話す。
「合格祈願マスク」は、1箱に応援メッセージ15種各1枚と絵馬風イラスト15枚の計30枚が入る。「リラックス」「自分を信じて」など受験生に向けた応援メッセージは、全社員から募集して開発チームが選んだ。絵馬風イラストには、自分で好きなメッセージを書き込めるスペースが設けられ、添えられただるまはデザインの得意な若手女性社員が描いたという。
「イベントマスク」シリーズでは合格祈願のほか、11月22日の「いい夫婦の日」など記念日にちなんだテーマを毎月展開。「お手伝いマスク」「プロレスマスク」などさまざまなアイデアの期間限定商品が生まれている。
ショウワテクノ広報部の國松有咲さんは「尼崎市の『きれいにすること』に情熱をかける洗浄機メーカーが、自社工場での一貫生産により、安心・安全・高品質にこだわり抜いて作った日本製マスク。関西らしい、ユニークで新しいマスクをこれからも発信し続けていく」と意気込む。
「合格祈願マスク」は販売用のウェブサイトで取り扱う。価格は1箱=2,860円、2箱=5,520円。3月25日まで。