尼崎の企業「Atoms World」のグループ会社で、3D計測サービス事業などを手掛ける「Space Grab」(尼崎市東七松町2)が11月29日・12月1日、京都建築大学校建築学科の学生らと共に「生身天満宮」(京都府)の調査・計測を行った。
901年創建とされる生身天満宮。菅原道真を祭った「全国最古の天満宮」といわれており、2027年には「25年に1度の大祭」が予定されている。現在、傷みが激しい拝殿などの大規模修繕へ向けた寄付を募っているが目標額には届いておらず、事態を知った同社が無償で最新3Dレーザースキャナーと計測知識の提供を提案し、今回の調査・計測が行われた。
「Atoms World」によると、今回使用した機器は計測者が背中に装着して歩くだけで3Dデータを取得できるもので、2Dではなく3Dデータを作成することにより、計測時間の短縮化や人件費の大幅削減ができるという。企画・広報の前原信之介さんは「少しでも修繕費用の削減につながればとの思いが強かった」と協力経緯を話す。
計測は、京都建築大学校の学生が担当した。前原さんは「建築を学ぶ地元の若者が行うことで歴史的建造物へ興味を持ってもらい、SNSなどで修繕への取り組みを広めてもらいたいという思いがあった。今回の取り組みが注目されることで多くの方が生身天満宮のことを知り、寄付が集まることを願っている」と期待を込める。