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尼崎市立歴史博物館で江戸時代の絵画テーマに特別展 開館1周年で

展示の様子。左の一対は「洛中洛外図屏風」、見学者の右は「聚楽第行幸図屏風」(堺市博物館所蔵)

展示の様子。左の一対は「洛中洛外図屏風」、見学者の右は「聚楽第行幸図屏風」(堺市博物館所蔵)

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 尼崎市立歴史博物館(尼崎市南城内)で現在、特別展「花開く江戸絵画~城下にぎわうころに」が開かれている。

「犬追物図屏風」

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 市立歴史博物館は2020年10月に開館。1周年を迎える特別展を開催するに当たり、「花開く江戸絵画~城下にぎわうころに」というテーマにした。同展を担当する伏谷優子さんは「所蔵する近世絵画から、戦乱が終結して太平の世を迎えた江戸時代前期(17世紀)の絵画を紹介することで、尼崎城や城下町が整備されてにぎわう頃の文化に触れてもらえたらと企画した」と経緯を話す。

 市立歴史博物館のコレクションと他地域の施設が所蔵する関連作品に、近年の発見や調査、修復の成果も加え、江戸時代前期の絵画の特色や時代背景を紹介する。同館所蔵作品と対をなすことが近年明らかになった「犬追物図屏風(びょうぶ)」(福井県立美術館所蔵)、「洛中洛外(らくちゅうらくがい)図屏風」(市立歴史博物館所蔵)に描かれた「聚楽第(じゅらくだい)行幸」が主題の「聚楽第行幸図屏風」(堺市博物館所蔵)などのほか、尼崎にゆかりがあるとされるテーマや画家の作品や資料も合わせ、約25点を展示する。

 伏谷さんは見どころについて「屏風など迫力ある大画面の絵画作品や江戸時代の数少ない女流画家の繊細な物語絵、知られざる尼崎の伝説を描く華麗な扇面画などを通し、城下町だったころの文化に触れてほしい。他館の関連作品は、比較したり共通点を見つけたりするとより楽しく鑑賞できるのでは」と話す。

 同館ではユーチューブチャンネルを開設。「コロナ禍で来館が困難な人にも、自宅でも企画展や特別展の様子を見て楽しんでもらえるように」と動画を配信するなど、広報活動にも取り組む。開館1周年を迎え、今後の抱負について同館の桃谷和則さんは「開館からこれまで5万人を超える来館者があった。何度でも来てもらえるように、子どもから高齢者まで楽しみながら尼崎の歴史を学べる歴史博物館を目指したい」と意気込む。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館無料。11月30日まで。

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