学ぶ・知る

尼崎のピッコロシアターで2日間の狂言教室 善竹兄弟が指導

2019年度の「ちゃっと!狂言」指導風景

2019年度の「ちゃっと!狂言」指導風景

  • 28

  •  

 県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター(尼崎市南塚口町3、TEL 06-6426-1940)で8月14日・15日、「ピッコロ実技教室 ちゃっと!狂言~入門編~」が開講される。

「柿山伏」の上演風景。左から主・善竹隆司先生、山伏・善竹隆司先生(写真提供:善竹会)

[広告]

 日本の伝統芸能で、独特の動きやせりふを楽しむ喜劇「狂言」。同劇場では、狂言に親しんでもらおうと、狂言師を講師に迎え、基礎知識から簡単な実技までを短期間で身に付ける教室をほぼ毎夏実施している。昨年の教室は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止したものの、今年は開講する。

 ピッコロシアターの担当、尾西教彰さんは「狂言が生まれた室町時代は、たびたび大きな疫病に見舞われた時代だった。狂言は、明るい笑いで困難を乗り越えようとする庶民の願い、知恵が詰まった芸能。コロナ禍の長引く今こそ、狂言の魅力に触れることで、みんなで力を合わせて明るく乗り越える一助にしてもらえたら」と開催の意図を語る。

 講師は大蔵流狂言方の善竹(ぜんちく)隆司さん、隆平さん兄弟ら。善竹さん兄弟は、共に5歳で初舞台を踏み、文化庁「芸術祭優秀賞」ほか多くの受賞歴を持ち、高校や大学で講師を務めるなど活躍している。

 今回の教室は、従来の4日間延べ17時間から、2日間延べ8時間に短縮となる。尾西さんは「忙しい方でも参加できるよう期間を短縮した。時間は短くなるものの、普段は見られない『衣装を着付ける様子』の解説付き見学を加え、狂言師の先生方によるモデル上演を、従来の仮衣装から本式衣装(狂言装束)に変えるなど、『見て』学ぶ要素をこれまで以上に充実させた」と話す。体験では、狂言「柿山伏(かきやまぶし)」を題材に、受講生は基本所作のすり足や発声の稽古、台本読み、実技指導などを受け、最後には舞台上で講師と共に試演する。

 尾西さんは「教室のタイトルにある『ちゃっと』とは古語で『すぐに』『ちょっと』という意味。英語で『おしゃべり』を指す『chat』にも掛けている。『すぐに』参加できて、『ちょっと』狂言の世界を体験して、狂言の魅力について楽しく『おしゃべり』する仲間ができる。小学生から80代まで申し込みがあり、さまざまな年齢や職業の参加者が集まるので、新たな出会いの場になれば」と参加を呼び掛ける。

 開講は14日=13時~16時、15日=11時~16時。現在、受講生を募集している。応募資格は小学生以上。受講料は、一般=3,000円、高校生以下=2,000円。定員は30人。申し込みは直接来館、郵送、ファクスで8月13日まで受け付ける(定員になり次第締め切り)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース