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尼崎の電気工事会社が「ZEB」導入の新社屋 建物のエネルギー収支「実質ゼロ」へ

「山口電気工事」新社屋屋上に設置した太陽光パネル

「山口電気工事」新社屋屋上に設置した太陽光パネル

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 電気設備工事などを手掛ける「山口電気工事」(尼崎市稲葉荘1)が建築を進めてきた市内初となる「ZEB(ゼブ)」を導入した新社屋が8月20日、完成した。

「インキュベーションBOX」。繊維方向が直交するように積層接着して作る「CLT」木材は、太さが足りない、節が多いなどの難点を持つ木材も活用でき、環境に配慮した木材として注目されているという

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 ZEBとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の1次エネルギー収支を「実質ゼロ」にすることを目指す建物のこと。今回完成した新社屋(東七松町2)は3階建てで、面積は延べ約1110平方メートル。高断熱性能木製サッシや地中熱利用、高効率空調機器の導入、太陽光パネルの設置、天窓による自然採光の活用など省エネと快適性を両立するさまざまな特徴を持つ。同社によると、ZEBを導入した建築物は市内初という。

 新社屋建設を検討する中で、同社社長の山口寛さんが掲げる「シナジー・未来・環境・エネルギー」とZEBの特性が合致し、今回の新社屋プロジェクトが立ち上がったという。同社企画広報の薬師寺春香さんは「新社屋の用地は放置されていたのか草が生え、荒れた状態だった。草むしりを行うなどスタッフみんなで整地した」と振り返る。

 新社屋1階は、ロッカーや倉庫、作業スペース。2階には、社長室、総務部、畳を使用したスペース、会議などを行うエリア「ステップ・アップ・ヒルズ」などを設ける。同社各事業部、グループ会社「大昭産業」と「Space Grab(スペースグラブ)」のオフィスが入る3階には、休憩エリア、環境に配慮した木材「CLT」で作られたスペース「インキュベーションBOX」なども設置する。

 企画広報の前原信之介さんは「建築中に地元の高校生を招いて見学会を行ったが、完成後の見学会も早く実現したい。会社の取り組みやZEBの特性を発信していくとともに、『ステップ・アップ・ヒルズ』などを活用して、若い世代を応援できるような催しも幅広く展開できれば」と話す。

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