豊岡市のシンボルであるコウノトリをモチーフにデザイン。心得の頭文字を繋げると「しあわせなまっちんぐ」になっている。
兵庫県豊岡市と株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO:柳澤大輔、東証グロース:3904、以下「カヤック」)が運営する移住・関係人口促進のためのマッチングサービス「SMOUT(スマウト)」は、徳島大学大学院教授/令和6年度 総務省地域おこし協力隊アドバイザーの田口太郎氏監修のもと、地域おこし協力隊の隊員と受け入れる地域のミスマッチを防ぐための指針をまとめた「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」を2024年11月25日に発表しました。
◆背景と目的
地域おこし協力隊の概要と課題
地域おこし協力隊は、2009年に総務省が創設した地方創生施策の一つです。この制度は、人口減少や少子高齢化といった課題を抱える地方自治体が、都市部から人材を呼び込み、新たな地域の担い手として地域活性化を推進することを目的としています。また、地域おこし協力隊・地域(住民)・地方公共団体の良好な三角関係「三方よし」をモデルに掲げています。
2024年4月の総務省の発表によると、2023年度には協力隊員が7,200人に達し、活動地域は全国1,100以上の自治体に広がりました。政府は2026年度までに隊員数を1万人にする目標を掲げています(※1)。一方で、自治体と隊員が望む活動のミスマッチや、地域住民と隊員のトラブルによって、任期途中で隊員を退任してしまうケースも目立ち、運用の改善が課題となっています。総務省の調査では、2019 年 1月1日から同年12月31日までの期間中、任期途中で退任した隊員は 604 人、そのうち106 人がミスマッチが原因と回答。ミスマッチを防ぐためには、隊員の受入れ・サポート体制の構築が必要不可欠と報告されています(※2)。
※1 ・総務省「令和5年度 地域おこし協力隊の隊員数等について」(令和6年4月5日)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000941085.pdf
・総務省「松本総務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年4月5日)」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02001336.html
※2 ・総務省「地域おこし協力隊について」P.10 任期途中で退任した隊員数とその理由(R1)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000707762.pdf
豊岡市の地域おこし協力隊の現状について
兵庫県豊岡市では、2014 年に地域おこし協力隊制度を導入して、2024年5月には委嘱した隊員数が累計100人に到達し、任期満了者の定住率は87%を超えるなど、現役の隊員や定住した元隊員たちが地域の課題解決や地域活性化のためにいきいきと活動しており、地域の振興を支えている。(※3)
豊岡市地域おこし協力隊の隊員数等 ※2024年5月1日時点
豊岡市地域おこし協力隊の定住率 ※2024年5月1日時点
※3 ・地域おこし協力隊が累計100人に到達!豊岡市の取り組みが注目される(令和6年5月7日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000141667.html
移住・関係人口創出サービス「SMOUT」について
「SMOUT」は、累計登録ユーザー数6万3,000人以上・累計登録地域数1,000以上(2024年11月現在)、国内最大級の移住・関係人口促進のためのマッチングサービスです。特に地域おこし協力隊の施策に強みを持ち、2024年9月からは、総務省の「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を受託しています(※4)。
※4 ・カヤック、総務省による「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を受託
https://www.kayac.com/news/2024/10/soumusho
◆コンセプト・内容
「10の心得」のコンセプト
移住スカウトサービス「SMOUT」を運営する株式会社カヤック(神奈川県鎌倉市)に協力をいただいて、地域おこし協力隊・地域(住民)・地方公共団体の三方が幸せとなるために必要な10の要素をまとめました。監修にあたっては、徳島大学大学院・田口太郎教授にご協力をいただきました。
豊岡市は、国の特別天然記念物であるコウノトリと共に生きるまちづくりに取り組んでおり、モチーフは、豊岡市のシンボルであるコウノトリをもとにデザインしました。また、愛着を持って覚えてもらうために、10の心得の頭文字を繋げると「しあわせなまっちんぐ」になるように構成し、さらに豊岡市の温かみが感じられる方言を取り入れました。
「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」ロゴマーク
豊岡市が野生復帰に取り組んでいるコウノトリ
■地域おこし協力隊の幸せな採用10の心得
- 「し」っくりきとるんか。受け入れ目的と意思確認
豊岡市は、地域おこし協力隊の受け入れ団体と両者で話し合い、地域おこし協力隊を受け入れる意思と目的を明確にします。これはミスマッチを防ぐ第一歩です。
- 「あ」んしんだっちゃ! 地域が連携、受け入れ体制
地域おこし協力隊の採用から着任後のサポートまで、受入団体と協力隊担当そしてサポート団体が連携体制をとっています。
- 「わ」いらぁの仲間に思いやり。卒業後も考えた採用
「着任する協力隊のこと」はもちろん「受け入れる地域のこと」も大切に考えます。採用方法や着任後の環境そして、卒業後のことも考えた採用計画を立てています。
- 「せ」んめいにしてみんちゃー!着任後のすがた
豊岡市では、選考の過程で必ず現地に来ていただき、関係者と交流していただきます。活動の説明を丁寧に行いながら、応募者側と受入側 のイメージギャップをしっかり埋めていきます。
- 「な」んとなくは、あっきゃ~へん。本音のコミュニケーション
相互理解を深めて、幸せな採用を目指します。協力隊希望者と採用側が本音のコミュニケーションを取れる ように環境づくりを心がけています。
- 「ま」っとくでー、よーけ設ける準備期間
採用が決定後も移住の準備期間をしっかり設けて、安心して移住してもらうようにサポートします。
- 「っ」ながりでゃぁーじ、一人にせんよサポート体制
着任後に、協力隊が孤独にならないように、交流会や研修会そして定期的な活動サポートを行います。「ちいきのて」という協力隊のサポート団体も準備しています。
- 「ち」ょうどええ、気持ちよく活動できる環境づくり
協力隊が気持ちよく活動しやすい環境づくりを目指します。活動経費の有効活用や研修機会などを設けたり、活動効率をあげる業務管理ツール「kintone」も導入しています。
- 「ん」?! もう卒業? だんにゃーで! 準備は万端
協力隊の卒業後に地域で活躍できるようにサポートします。例えば、起業のための事業計画づくりのサポートや協力隊起業補助金を市独自で上乗せしてサポートしたり、金融機関と連携した研修など用意しています。
- 「ぐ」っとくる出会いのために、わいらぁの日々進化
幸せなマッチングを心がけた結果が、豊岡市の高い定着率につながっていると感じています。これからもより良いマッチングのあり方について考え、改善を続けていきます。
◆まもなく地域おこし協力隊の募集を開始します!(2024年度冬期)
2024年12月初旬に豊岡市の新たな地域おこし協力隊の募集を開始予定です。
募集予定のメニューについては以下の通りです。
2024年度冬期募集予定のメニュー
IT×農業でひきこもり支援プロジェクト受入団体:NPO法人コウノトリ豊岡・いのちのネットワーク
タイプ:イノベーション型
募集人数:1人
「環境と経済の好循環」を生み出すプロジェクト受入団体:株式会社コウノトリ羽ばたく会
タイプ:イノベーション型
募集人数:1人
「スポーツの力でまちを元気に!」プロジェクト受入団体:豊岡スポーツ協会
(連携団体:円山川・城崎ローイング協会)
タイプ:イノベーション型
募集人数:2人
伝統技術の継承「城崎麦わら細工」受入団体:かみや民藝店
タイプ:担い手育成型
募集人数:1人
伝統技術の継承「出石焼」受入団体:出石焼陶友会
タイプ:担い手育成型
募集人数:1人
映画を通じた地域活性化プロジェクト受入団体:豊岡映画センター
タイプ:イノベーション型
募集人数:1人
100年前のまちなみを活用した中心市街地の活性化受入団体:一般社団法人マチノイト
タイプ:イノベーション型
募集人数:1人
地域資源を活用した起業支援団体:一般社団法人ちいきのて
タイプ:起業型
募集人数:1人
各募集メニューの詳しい内容については、豊岡市地域おこし協力隊のホームページや「SMOUT」の記事をチェックしてみてください。
◆参考
「豊岡市地域おこし協力隊」特設サイト
豊岡市地域おこし協力隊に関する詳しい情報は、下記URLをご確認ください。
https://tonderu-local.com/chiikiokoshi/
「飛んでるローカル豊岡」(移住ポータルサイト)
兵庫県豊岡市への移住の相談・情報収集は下記URLよりご覧ください。
https://tonderu-local.com/
兵庫県豊岡市について
兵庫県豊岡市は、市域の約8割を森林が占め、北は日本海、東は京都府に接し、中央部には母なる川・円山川が悠々と流れています。海岸部は山陰海岸国立公園、山岳部は氷ノ山後山那岐山国定公園に指定され、多彩な四季を織りなす自然環境に恵まれています。平成17年9月には、国指定の特別天然記念物・コウノトリが自然放鳥され、人里で野生復帰を目指す世界的にも例がない壮大な取組みが始まりました。
産業は、農林水産業、観光業などが盛んです。特に観光業では、全国的に有名な城崎温泉をはじめ、西日本屈指の神鍋スキー場、但馬の小京都・出石城下町などを有し、年間の観光客は420万人以上にのぼっています。また、地場産業としては、全国の4大産地の一つであるかばんや出石焼などの生産が行われています。
・豊岡市HP https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/shinoshokai/1004513/1002323.html