自社ブランド事業・OEM事業・部品製造を軸に、ものづくりの革新を追求する株式会社千石(所在地:兵庫県加西市、代表取締役:千石 滋之、以下「千石」)は、精密機械器具の製造を手掛ける大洋精機株式会社(所在地:兵庫県加西市、代表取締役社長:高橋 淳、以下「大洋精機」)の株式譲渡契約を本年2月10日付にて締結し、3月27日付で正式に千石グループに参画しましたので、お知らせいたします。
(左)株式会社千石 安井聡一、(中央)大洋精機株式会社 高橋淳、(右)株式会社千石 千石滋之
大洋精機株式会社 本社(兵庫県加西市)
●株式譲渡の背景と目的
千石は、自社ブランド事業、OEM事業、部品製造の3本柱を軸に成長を続けてきました。創業以来、プレス加工技術を活かし、家電製造の下請けとして数多くの製品を支えつつ、自社ブランドの開発にも注力しています。
特に「アラジン」ブランドは、2005年に千石が権利を取得して以来、同社の手で大きく成長を遂げました。加えて、「グラファイトヒータ(R)※」の特許権を譲り受け、その技術を進化させて開発した「グラファイトトースター」など、長年にわたり愛され続ける商品群を生み出しています。
このように、千石は高度な技術を取り入れ、OEMで培った現場のノウハウを駆使しながら製品の完成度を飛躍的に向上させ、市場に革新をもたらしてきました。今回の大洋精機のグループ化は、千石にとって次の成長段階を切り開く大きなステップとなります。
大洋精機は自動車業界向けの精密加工を主力としており、卓越したアルミ加工技術と厳格な品質管理を強みとする企業です。このグループ化により、大洋精機の高精度な金属加工技術と千石のものづくりが融合し、さらなる品質向上と競争力強化を実現することができます。さらに、千石の強みである効率的な生産ノウハウを大洋精機に共有することで、双方の顧客に新たな価値を提供し、これまでにない取引先の開拓や市場拡大も見込んでいます。
※「グラファイトヒータ」は株式会社千石の登録商標です。(登録第5362800号)
●今後の展望
千石グループは、「唯一無二のものづくり技術」を確立し、厳しい市場環境の中で持続的な成長を遂げることを目指しています。そのためには、単なる製造技術の向上だけでなく、異業種のノウハウを融合させ、新たな価値を創造することが不可欠です。
今後、大洋精機の技術力を活かし、さらなる事業強化を推進していきます。例えば、カセットコンロの「ガバナ」と呼ばれる部品の加工において、大洋精機の高精度な切削技術を導入し、より高品質な部品の製造を可能にします。この部品は、亜鉛ダイカストを精密に加工する必要があり、国内で製造できる企業はごくわずかです。また、当社が手掛ける給湯器にも多くのダイカスト部品が使用されていますが、現在は外部調達が中心です。大洋精機の加工技術を活用し、これらの部品を内製化することで、生産コスト削減と品質安定化を実現できます。さらに、設計段階での助言を受けることで、製品改良や新たな技術開発にもつなげていきます。
このように、千石グループは単なる「ものづくり」企業にとどまらず、独自の技術力を強みとする「価値創造型企業」への進化を遂げ、新たなステージに向けて取り組んでまいります。
●株式譲渡の概要
【譲渡元企業】大洋精機株式会社 概要
■企業名 :大洋精機株式会社
■創業・設立:1968年(昭和43年)
■本社住所 :兵庫県加西市上野町235
■代表者 :代表取締役社長 高橋 淳
■業務内容 :製造業(金属加工)、アルミダイカスト品の切削・研磨等
【譲渡先企業】株式会社千石 概要
■企業名 :株式会社千石
■創業・設立:1953年(昭和28年)
■本社住所 :兵庫県加西市別所町395
■代表者 :代表取締役 千石 滋之
■業務内容 :石油ストーブ・電気暖房・電気調理器・ガス機器等の製造・販売、
家電製品・調理器具のOEMメーカー及び住宅設備機器の部品製造
■URL :https://www.sengokujp.co.jp/
【株式会社千石 代表取締役 千石滋之のコメント】
大洋精機は、地域で高い評価を受けてきた企業であり、以前から先代社長とも交流がありました。技術分野や事業規模は異なりますが、確かな技術力と堅実な経営を続けてきた点に共感し、今回のグループ化に至りました。特に、事業後継者不足という深刻な課題がある中で、大洋精機の技術やノウハウを次世代へ継承し、千石グループとして新たな成長の機会を創出していきたいと考えています。彼らの持つ高度な加工技術、管理・品質基準、経営手法を謙虚に学び、千石グループ全体のシナジー効果を高めていきます。
●新経営体制