JR塚口駅西口のレンタルルーム「studio tetote（スタジオテトテ）」（尼崎市東塚口町1、TEL 06-4950-0400）が3月18日、1周年を迎えた。

1階レンタルルーム。地元企業がミーティングに利用することも多い

　運営は、1981（昭和56）年に尼崎市で創業した不動産店「フクミツ興産」の関連会社で、不動産コンサルティングを行う「アゼイリア」。「女性のプチ起業支援」をメインコンセプトに、趣味や資格を生かした教室の開催やミーティング会場の提供など、女性の「やってみたい」を支援することを目的に、自社が入るビルの2階で20年間空室だった部屋をスタッフ自らDIYして開設した。

　2階レンタルルームは、カラフルなデザインや自由にメッセージを書き込める黒板仕様のものなど4種類の壁紙を施し、フォトスタジオや商品撮影、イベント開催とさまざまな用途に対応が可能。パウダールームにはライトを付けた「女優ミラー」を設置し、SNS映えする撮影用小物も多数そろえるなど、利用者がワクワクするような仕掛けを用意する。講座・教室を開く人や、子ども連れのファミリー、友人同士での写真撮影など利用層は幅広いという。

　事務所が入る1階奥には、約9人が着席可能なテーブルや両面ホワイトボード、ロールスクリーンなどを用意し、勉強会や会議室として利用できるレンタルスペースを設置。急な授乳やおむつ替えに対応できるスペース「赤ちゃんの駅」も備える。

　社員の野村桂さんは「駅前という立地と温かみのある空間を提供できることが強み。利用者からは『室内がかわいらしい』との声を多く頂いている。元々講座などをされていて、利用できるスペースを探していらっしゃる方、子育てが落ち着いたので趣味を生かして何かやってみようという方が多い。起業支援の相談を受け、実際に起業へ結びついた方もいらっしゃる」と話す。

　2019年10月からは、3歳までの子どもと母親を対象にした「子育てサポートぷくぷく」（火曜・金曜のみ）も開設。サポーターで子育てアドバイザーなどの資格を持つしげもりあきさんは「海外で出産と子育てを経験し、日本ではネガティブに思うことでも海外ではポジティブに捉える考え方の違いを知った。子育ての悩みは、他人から見れば些細なことでも本人にとっては大きなこと。子育て支援施設はたくさんあるが、相談したくてもコミュニティーがすでに出来上がっていて入りづらさを感じる人も多い。ここでは子どもを自由に遊ばせながらママにゆっくり過ごしてもらい、悩みを気軽に相談してもらえれば」と話す。

　新型コロナウイルス感染拡大により、現在「子育てサポートぷくぷく」の当面休館、通常より格安の利用料で出店できる「1周年記念イベントtetoteマルシェ」の延期などさまざまな影響が出ている。野村さんは「3月はキャンセルが相次ぎ、新規利用者の受け付けも停止していた。スタジオ運営についてスタッフと話し合いを重ねる中、安全が第一だが楽しみにされている利用者の思いにできるだけ応えたいと強く感じ、条件は厳しくなるが4月からの再開を決めた」と話す。

　社員の平本瑞希さんは「何かやってみたくても『1人では怖い』など悩みを抱えている方は多い。1周年イベントは募集後すぐに枠が埋まるほどの人気ぶりで、イベントを必要としてもらえていることを実感し、いいきっかけになるのではと思っていた。延期が決まり、参加者へ延期や返金の連絡をしたところ、多くの方から『参加費用はそのままでいい』『参加したい』との言葉を頂き、うれしかった。現在6月開催を目指し準備を進めている。『やってみたい』という思いを持つ方々のためにも、早く落ち着いてほしい」と話す。

　4月からの利用条件は、「利用最大人数6人」「有料・無料オプションの貸し出し不可」「体調不良や37．5度以上の熱が出た場合は利用禁止」「利用中は定期的に換気すること」「レンタルルーム利用前、利用後は手洗いとアルコール消毒の徹底」。今後の状況に応じて変更する可能性もあるという。

　利用料金は、「2F ROOM」が平日＝1時間2,000円、土曜＝同2,500円。「1F ROOM」が平日＝同1,500円、土曜＝同2,000円（以上税別）。

　営業時間は9時～17時（土曜は予約時のみ）。日曜・祝日定休。