「築地だんじり祭り」が9月16日・17日、尼崎の初嶋大神宮(尼崎市築地2、TEL 06-6481-2568)で行われる。
「引き手の真剣さ、熱気をリアルに感じてもらいたい」と笹辺さん
江戸時代、尼崎城の城下町として発展した築地地区に伝わる伝統の祭り。舞台となる初嶋大神宮は同地に鎮座して352年を迎える由緒ある神社で、同神社を取り囲む7地区(本一、本三、本五、丸嶋、大官町、小嶋、南浜)から7基のだんじりが出てまちを練り歩き、2基のだんじりを正面からぶつけ合う「山合わせ」を総当たり戦で行い、クライマックスを迎える。その激しさから別名「けんか祭り」とも呼ばれ、全国からファンが訪れる。
同地区では来春に新尼崎城の公開を控え、元来の「お膝元」として城の再建を喜ぶ声が高まっているという。築地だんじり保存会の笹辺将甫(まさとし)さんは「築地のだんじりの由緒として、尼崎城に新しい藩主をお迎えする際に御祝で出していたと聞いている。その意味でも、築地のだんじりと関係の深い尼崎城が再建されることをとてもうれしく思う。尼崎城とコラボして、協働できるイベントを市役所と実務担当者レベルで検討も始めている」と意気込む。
「伝統を絶やさずに後世に継承していくことは私たちの大事な使命。阪神大震災後、まちは新しく生まれ変わり新しい住民の方も増えた。これからは若い人たちに、だんじりの意義や歴史、面白さを上手に伝えていかなければ。鐘や太鼓を鳴らすだんじり、祭礼に伴う通行規制などについて、まだなじみのない人々に理解を求めていくことも課題。保存会では年間を通して運動会、盆踊り大会、餅つき大会などを企画して地域を盛り上げ、祭礼へ向けてみんなの気持ちを一つにしていきたい」と笹辺さん。
「築地のだんじりの魅力は、勇壮で大迫力の山合わせだけでなく、地域住民が一丸となって盛り上げる祭礼となっていること。引き手の家族たちが炊き出しなどの手伝いをしてくれて、自治会や老人会など地域の人々も通行規制の警備で協力をしてくれる。阪神尼崎駅からちょっとだけ遠いが徒歩圏内にある築地。城下町を伝統あるだんじりが鳴物や掛け声と共に、勇壮に移動する。山合わせは、引き手の真剣さや熱気をリアルに感じられ迫力満点。楽しんでもらいたい」と笑顔を見せる。
開催時間は、16日(宵宮)のだんじりパレードは18時30分初嶋大神宮発、20時宮入り。17日(本宮)の山合わせは、開会セレモニー=18時~、対戦=18時30分~21時。初嶋大神宮東隣の松島橋公園で行う。