尼崎の園田学園女子大学(尼崎市南塚口町7)で4月22日、「アマからみとりの話、してみーひん? 徳永進さん・上野千鶴子さんクロストーク」が開催される。
会合では子どもから80代まで幅広い世代が集い、「看取り」をテーマに語り合う
住み慣れた尼崎を自分の願う生き方や「逝き方」ができる「みとりのあるまち」にしていくために何が必要か、暮らす一人一人に何ができるのかを一緒に考える同イベント。ホスピスケアに取り組む「野の花診療所」(鳥取市行徳)院長の徳永進さんと、女性学とジェンダー研究、近年は高齢者の介護問題にも研究領域を拡大する社会学者の上野千鶴子さんを招いて対談を行う。
主催するみとりまち実行委員会で委員長を務める杉原豊弘さんは、紙器を使ったパッケージングや流通加工を行う「杉原紙器産業」(尼崎市瓦宮2)の社長。会社経営の傍ら、「看取り」や死をテーマに語り合い、園田地区でつながっていこうと、医療・介護関係者や当事者を招いた講演会、参加者同士で交流するお話カフェなどを行う「みとりまちプロジェクト」を展開している。委員会には町会役員や福祉関係者、建築士、銀行員など、園田地区で暮らすさまざまな人たちが集まるという。
杉原さんは「徳永さんが在宅ホスピスに取り組む日々をつづった著書『在宅ホスピスノート』には、私の大学時代からの友人の死についても触れられている。親しい人の死について響いてくるものがあり、みとりの現場を知っているからこその説得力のあるメッセージの数々に、徳永さんにお話を聞きたいと思うようになった」と話す。友人との共通の恩師で、徳永さんとも親交のある上野さんの協力を得て実現した。
「みんなで話し合って会名を『みとりまち』とした当初は、その言葉に対して暗いイメージがあった。みとり、つまり死について日頃は考えたくないものだから。さまざまな人たちと出会って語り合う中で、この64年の人生の中で1番『生きている』ことを実感している。今では『みとりまち』という言葉がしっくりくるようになった」と杉原さん。
同委員の林谷啓美さんは「親しい関係でも面と向かって話しにくいみとりのこと。会合ではさまざまな体験を共有しながら、笑顔で語り合えたのが印象に残っている。これまでみとりについて考えたことがないという人も、このイベントに参加することで考える機会にしてほしい。家族や身近な人たちと話すきっかけにもなれば」と呼び掛ける。
開催時間は14時~17時。参加費は一般=1,000円、学生無料。定員は500人、要予約。問い合わせ先はNPO法人月と風と(TEL 06-6493-6965)。