尼崎市立文化財収蔵庫(尼崎市南城内)で8月27日、歴史講座「尼崎城を知る」が開講される。
江戸時代初期、尼崎藩主だった戸田氏鉄(うじかね)が築城した尼崎城。明治時代に廃城となり城の姿をとどめるものは全くなくなったが、現在、市の歴史的シンボルとして尼崎城址公園内に再建が進んでいる。
同講座は来年の完成に向け、尼崎城の歴史について知識を深めてもらおうと数回のシリーズにわたって開講される。第1弾は「尼崎城『天守』のヒミツ」と題し、日本の城にとって天守が持つ意味から、尼崎城が廃城まで天守を持ち続けた理由などを解説する。
登壇する学芸員の室谷公一さんは関西大学史学科卒業後、古文書研究を行ってきた江戸時代の専門家で、現在は市教育委員会で江戸時代に関する文化財を全般的に担当している。当日は室谷さんの講座を午前・午後の2回行い、各講座の後には収蔵庫の展示を学芸員の解説付きで見学するツアーも開催する。尼崎藩の誕生から廃藩までを紹介する企画展示「尼崎藩史話」と常設の展示物を約1時間かけて案内する。
主催する中央地域振興センター(尼崎市開明町2、TEL 06-6413-5373)の村上晴香さんは「城や歴史に詳しい人から、あまり知らないという人、子どもまで、誰でも参加できる内容になっている。今回テーマとなっている『天守』は城主の権威を誇示するなどの理由により存在したもので、日本のどんな城にもあるわけではない。そんな天守が尼崎城に存在した意味について、私も室谷さんの話を聴いて驚いた。気になる人は講座に参加してもらえたら」と呼び掛ける。
開催時間は、午前の部=10時~12時、午後の部=13時~15時。定員は各回60人。入場無料。詳細はホームページで確認できる。