尼崎のJR立花駅近くに7月7日、「酒旬菜Dining(ダイニング) 喜庵(きあん)」(尼崎市立花町1、TEL 06-6422-8800)がオープンした。
大阪の居酒屋などで23年の料理歴を持つ店主の名倉大喜(なぐら・たいき)さんと、妻のひろみさんが切り盛りする同店。兵庫県産の純米酒とオーガニック食材にこだわり、素材の味を生かした「体に優しい」料理を提供する。店舗面積は15坪、席数はテーブル16席、カウンター6席。
名倉さん夫婦は「自分たちの舌で納得したものだけを提供できる店を出したい」と一念発起し、今年春、自転車で街を駆け巡る物件探しからスタート。苦心しながらも自宅に近い好物件に巡り合い、同店のオープンにこぎ着けた。JRの線路沿いの道路から門をくぐり、緑に包まれたアプローチを抜けて店の玄関に至る「隠れ家」風の店舗で、店内は年季の入った太い梁(はり)や板壁が残る民芸調の造り。ひろみさんは「ここで古いジャズを流して、ほっこり落ち着く空間にしたかった。理想の場所が見つかったと思った」と振り返る。
料理の素材は、近郊で採れた無農薬の野菜・米を中心に、旬の地魚や大山鶏・丹波鶏、和牛などを厳選し、調味料も無添加や自家製のものを使う。「安全でおいしい、地元の食材の情報発信の場になれたら」と名倉さん。品書きには、「藤原さんのトマト」「善村君のズッキーニ」など、信頼する生産者の名前を冠している。
メニューは、「豆腐屋さんの国産大豆の冷奴(ひややっこ)」(200円)、ひろみさん一押しという「蓮根(れんこん)まんじゅう」(480円)、「じゃがいもと自家製神戸ポークベーコン」(430円)、店主一押しという「丹波鶏ももの塩焼きかぼす胡椒(こしょう)添え」(480円)、和牛すじこん煮(380円)など。「本日のおすすめ」も毎日約10品用意し、取材当日は「黒大豆の枝豆」(250円)、「善村君の採れたてズッキーニのフライ」(300円)、「剣先イカのお造り」(650円)、「淡路ハモの湯引き梅肉添え」(950円)、「がしらの煮付け」(980円)などが並んでいた。
地酒は全てグラス600円で、加西の「福久錦」、南淡路の「都美人 山廃純米生原酒」、姫路の「雪彦山 純米原酒」「龍力(たつりき)純米吟醸ドラゴンエピソード2」などをそろえる。果実チューハイには、自然農法の国産果実を主原料とする高砂の「本気ジュース」などを使う(価格は全て税別)。
営業時間は17時~23時。水曜・第3火曜定休。