尼崎競艇場近くにある酒販店「中島南店」(尼崎市大庄西町4、TEL06-6416-9192)で12月3日、「大黒正宗しぼりたて」の新酒販売が始まった。
「大黒正宗」は、兵庫・灘の歴史ある酒蔵の伝統製法を守り、少量生産ゆえに限られた店舗でのみ販売される酒。中でも今年仕込んだもろみを絞ったばかりの原酒は、毎年この時期にしか味わえない希少な日本酒として、ファンが待ち望んでいるという。
「中島南店」では、毎年この酒を一定数買い付けして販売。今年は300本を仕入れたが、12月3日現在で既に100件以上の予約が入っており、中には5本、6本とまとめ買いしていく客も。
戦前から続く老舗の同店は、店内に昔ながらの「立飲み酒屋」スペースを設ける酒販店。店舗面積は約38坪。収容数は約50人。尼崎競艇場にほど近いため、ボートレース開催日には船券片手にテレビ中継で勝負の行方を見守る飲み客で午前中からにぎわう。人気メニューはかす汁(250円)、おでん(80円~)、もりそば(300円)など。
日本酒は一合=400円~。店主によると日本酒の品ぞろえは通常の立飲み酒屋とは一線を画しており、品ぞろえの豊富さにひかれ、レース客以外の日本酒愛好者も多く訪れるという。
三代目店主の中島雄一さんによると、店で販売する日本酒は全ての酒蔵を自ら訪れ、直接買い付けしているという。中には寝台列車「ななつ星」の車内販売に採用されている「喜多屋」や、気仙沼の銘酒「男山」などが並ぶ。
「原料の水、米、製法、それらに納得した上で、本当においしい酒を飲んでもらいたいという思いで選んでいる。値段は高いがぜひ飲んでもらいたくて、仕入れ値で提供している酒もある」と中島さん。
「日本酒は生き物。飲む温度で味が変わるし、購入後に家で保管される間に熟成も進む。同じ銘柄でも製法の違いで生まれる味を比較するのも楽しい。酒の好みを教えてもらえれば、お客さまのストライクゾーンにはまる銘柄、飲み方をご紹介できる」と自信を見せる。
営業時間は9時~22時。