8年前に尼崎市内の小学6年生が「20歳の自分」へ宛てた手紙401通が1月11日、本人へ返却された。
同市内の会社経営者らでつくる「蝌蚪(かと)の会」が、小学校卒業時に児童が書いた「20歳の自分宛ての手紙」を預かり、成人式の会場で本人に返却し当時を振り返ってもらおうと企画したもの。2008年にスタートし、今回が初めての返却となった。
式典終了後、会場のベイコム総合体育館(尼崎市西長洲1)内に設けたブースで、送付された案内状と引き換えに手紙が手渡された。新成人らは、お互いの手紙を見て笑い合ったり、じっくりと読み返したりと、12歳の自分との「再会」を思い思いに楽しんだ。
手紙を受け取った久川美子さんは「手紙には大好きだった先生との思い出が書いてあった。自分の夢も先生になること。悩んだ時に読み返し、将来に向けて頑張りたい」、大長功二さんは「手紙を受け取り感動した。当時の自分に恥ずかしくない生き方をしたい」と抱負を述べた。
同会代表の川口徹さんは「喜んでもらえたようで、事業を始めたかいがあった。12歳の時に書いた文章もしっかりしていて、当時も今もみんなしっかりしているなと思った」と語る。同会メンバーの藤縄修平さんは「当時思い描いた自分になれているか、今日を機に考える時間になれば。『昔の自分はこうだった』と笑ってもらい、次の未来へ進んでほしい」とほほ笑む。