尼崎健康医療財団看護専門学校(尼崎市水堂町3、TEL 06-6436-8702)で12月16日、戴帽(たいぼう)式が行われた。
戴帽式とは、看護を志す者に将来にわたり看護を行っていく自覚と責任を新たにし、その証しとしてナースキャップを授与する式典で、中世ヨーロッパで医療の役割も担っていた修道院が起源という。
今回の対象は今年4月に同校へ入学し、解剖生理学や看護術といった基礎学習を修得した15期生70人。暗い講堂内で、女子学生は純白のナースキャップを、8人の男子学生はハンカチを授かり、ナイチンゲール像の燭台(しょくだい)から各自のキャンドルへともしびを移した。全員がキャンドルのともしびを手にすると、講堂内は荘厳な雰囲気に包まれた。
同校の尾崎馨(かおる)校長は「医療を受けた患者の心に残るのは、最先端の技術や医薬品ではなく、看護師が示してくれた思いやり。皆にそうした思いやり、コミュニケーション力、礼儀作法を身につけていってほしい」と訓示を述べた。
式を終えた戴帽生は笑顔を見せながら「課題やテストが毎日たくさんあり、寝る暇もなかった」と振り返る。学生の約半数は社会人入学で、「会社員をしていたが、友人の死に触れたことがきっかけでこの道へ。もともと、憧れの職業でもあった」「結婚して主婦をしていたが、同年代の友人が看護の勉強を始めたことに触発された。患者さんの立場を理解し、安心してもらえる看護師になりたい」などと意欲を見せた。
戴帽生たちは来年1月から市内外の病院で実習期間に入る。