阪急塚口駅近くにある「アリクイ食堂」(尼崎市塚口本町1、TEL 06-6423-5900)が11月11日、3周年を迎えた。
「だし」からすべて手作りという定食メニューを中心に、日替わりの総菜などを豊富にそろえる同店。店舗面積は12坪、席数は30席。
店主の岡本佳子さんは元ライター。行きつけのバーで「人を引っ張る力がある。きっと向いている」と言われ飲食の道へ進んだという。バーのオーナーを経て、知人女性と同店をオープンしようと準備を進め、開店まであと少しとなったある日、料理を任せていた女性が突然辞めることになり、さらに店舗の欠陥まで見つかってしまったという。
「もともと料理好きだったが、プロとして料理を提供したこともなく、ここまできて辞めるわけにはとの思いで、どうすればと思い悩んでいた時、手を差し伸べてくれたのが塚口駅エリアの人たちだった」と岡本さん。
「塚口の飲食店の皆さまが集まって一緒に考えてくれた。和食店の店主にだしの取り方から魚のさばき方など、食材の扱い方をすべて教わり、欠陥部分も知り合いが『報酬はビールでいいよ』と申し出てくれて、修繕してもらった。本当にありがたかった」と当時を振り返る。
オープン当初は客の反応やSNSの書き込みなどにも敏感になっていたが、「教えられた料理の基礎をしっかり守り、丁寧に手作りすることを心掛けた」という誠実さが実り、次第にリピーターも増え、SNSには応援の書き込みが増えていったという。
人気メニューは「豚のしょうが焼」「から揚げ」「ハンバーグ」などのメーン1品に副菜が2品、サラダ、汁物、漬物が付く「サービス定食」(800円~)、「かつ丼」(900円)などの丼物、その日仕入れた食材で作る1品料理など。「うちは定食屋なので」と夜も定食メニューを提供する。ご飯はお替わり自由。
「うちは子どもが遊んでも泣いてもオーケー。『親せきの家』みたいな感覚でくつろいでほしい」とも。ほぼ毎日店に立つが、「ここ数年走ってきた。ペースを少し緩めたい」とほほ笑む。
営業時間は、11時30分~15時、18時~24時。不定休。