尼崎市常吉の水田で9月26日、地元ボランティアスタッフにより「尼いも」のつるの採取が行われた。「尼いも」とは、尼崎市臨海部で栽培されていたサツマイモ。
江戸時代後期から尼崎の臨海部で育てられていた「尼いも」だが、1950(昭和25)年ごろの度重なる水害により栽培が途絶えていた。それから半世紀の2000年、「甘くておいしかった尼いもを、もう一度食べたい」という市民の声が高まり、消えた「尼いも」を求めて日本各地を訪ね歩き種芋を発見。やっとの思いで復活にこぎ着けた。四十日薯(しじゅうにちいも)という品種。
9月26日の作業にはボランティアスタッフ17人が集まり「尼いも」のつるの採取を行い、採取したつるを5センチほどにカットした。「尼いも」のつるのつくだ煮「尼いもづくし」「尼いものつるの炊いたん」の材料として使われる。数日間かけて約600キロのつるを採取した。後日、「尼いも」の掘り上げも予定する。
参加したボランティアスタッフは「大変な作業だが、伝統野菜を守りたいという思いがある」「(つくだ煮は)お酒のあてにいい」と話す。
尼崎市内のメーカー「小倉屋居内」で製造加工された商品は収穫後の秋以降、「メイドインアマガサキショップ」で販売予定。