企画展「歴史博物館ができるまで」が現在、尼崎市立歴史博物館で開かれている。
文化センターや市役所の一角などで展開してきた展示事業の紹介。同館学芸員の楞野(かどの)一裕さんは「展示ケースの配置など、さまざまな工夫を重ねた」と話す
1986(昭和61)年に「尼崎市制70周年記念事業」として整備が始まり、2020年に開館するまで30年以上の歳月を要した市立歴史博物館。同展では、事業の変遷や学芸員の取り組みなどが分かる資料を展示する。
1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災による被害、バブル崩壊以降の財政悪化などさまざまな理由により、博物館建設事業は一度休止となった。開館へ向け準備を進めてきた学芸員らは、博物館準備室の廃止に伴い市立文化財収蔵庫勤務となったが、市内公共施設で行う企画展や体験学習の実施など、多様な「館なき博物館活動」を展開してきた。
同館は今回、開館までの歩みを広く紹介することを「責務」と考え、展示を企画。事業が再開され開館に至った経緯や、学芸員が取り組んだ「館なき博物館活動」の内容が分かる資料、1987(昭和62)年に製作された完成予想図など、約60点を展示する。
開館時間は9時~17時(入館受け付けは16時30分まで)。入場無料。月曜休館(7月17日は開館、翌18日休館)。9月3日まで。