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尼崎で上方伝統文化芸能ユニット「霜乃会」イベント 「太閤記」を講談と素浄瑠璃で

「霜乃会プラス番外編@尼崎」に出演する旭堂南龍さん

「霜乃会プラス番外編@尼崎」に出演する旭堂南龍さん

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 上方伝統文化芸能ユニット「霜乃会(そうのかい)」によるイベント「霜乃会プラス番外編@尼崎」が3月25日、山村能舞台(尼崎市塚口町6)で開催される。

昨年のトークタイムの様子。「トークタイムはジョークなどを交えた楽しい雰囲気。上演部分とのめりはりを楽しんでほしい」と朝原さん

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 20~40代の若手でつくる同会は、2019年より公演活動を開始。年に1度開く本公演に加え、一般向け定例講座「霜乃会プラス」、地域に伝わる歴史的ストーリーと伝統文化芸能を掛け合わせたイベントなど、さまざまな催しを展開する。メンバーは、代表を務める講談の旭堂南龍さん、落語の桂紋四郎さん、浪曲の京山幸太さん、人形浄瑠璃「文楽」の竹本碩太夫さん、鶴澤燕二郎さん、能楽の林本大さん、今村哲朗さん、茶道の松井宗豊さん、華道の芦田一坤さん。

 尼崎の歴史に焦点を当てた「霜乃会プラス番外編@尼崎」は昨年初開催し、尼崎・大物浦を舞台にした作品「船弁慶」などを取り上げた公演を行った。2回目となる今回は、豊臣秀吉の伝記「太閤(たいこう)記」から、尼崎を題材とした演目を講談と素浄瑠璃(語りと三味線演奏)で上演する。出演は、旭堂南龍さん、竹本碩太夫さん、鶴澤燕二郎さん。

 南龍さんは、講談「太閤記 尼崎一騎駆け」を披露する。本能寺の変が勃発し、秀吉は備中高松から姫路、そして尼崎へ単身乗り込むが、すでに明智光秀の軍勢が待ち受けていた。秀吉は忠義のため、一世一代の大ばくちを打つというストーリー。

 竹本さん、鶴澤さんによる「素浄瑠璃 絵本太功記 夕顔棚の段」は、登場人物の名前が史実と少しずつ異なる絵本太功記をベースにした浄瑠璃の演目。本能寺の変後、主君尾田春長(織田信長)を討った武智光秀(明智光秀)を恥じ、光秀の母さつきは尼崎で1人暮らす。そこへ光秀の妻・操と孫・十次郎のいいなずけである初菊が、十次郎の初陣の許しを得に訪れる。討ち死にすると分かっている出陣に心を痛めるさつきだが、涙を流しながら十次郎と初菊の祝言を促すというストーリー。

 初めて伝統芸能に触れる人でも楽しめるよう、事前に参加者へあらすじを渡し、概要などを説明するトークタイムも設ける。同会事務局の朝原広基さんは「文楽は語りが独特なので、あらすじが分かれば内容も入ってきやすいと思う。出演者が繰り広げる気さくなトークタイムで和んだ後、講談と浄瑠璃をじっくり楽しんでもらう『めりはりのある公演』にしたい。同じ題材でもそれぞれ描き方が違うので、どのように表現するのかを見てもらえたら」と話す。

 「尼崎は歴史的な人物、出来事とゆかりが深い地域であり、能舞台もある。歴史と伝統芸能を身近に感じてほしい」とも。

 開演時間は14時。観覧料は2,000円。参加申し込み・問い合わせは同会事務局(TEL 070-2635-6644)、ウェブサイトで受け付ける。

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