尼崎城(尼崎市北城内)で現在、パネル展「戦国時代を駆け抜けた摂津の英雄~荒木村重展」が開かれている。
戦国武将・荒木村重に焦点を当てたパネル展。尼崎城、有岡城(伊丹市)、池田城(大阪府池田市)の3城が連携し行う。
荒木村重は、池田城城主・池田氏の家臣として頭角を現し、後に織田信長に従臣。重臣として摂津一国を支配するなど信長の信頼を得るも突如謀反を起こし、居城していた有岡城に籠城後、妻子や家臣を残して長男・荒木村次が守る尼崎城へ移ったとされる。村重が逃れた尼崎城は、現在の尼崎城とは別の場所にあった大物城(尼崎市大物町2)で、大物城は別称として尼崎城と呼ばれていた。
イベント担当の大西淳浩さんによると、尼崎城は江戸時代、大物城は戦国時代とそれぞれ築城された時代が違うが、名称が同じなため混同する人も多く、「一度整理するためにも荒木村重を取り上げたい」と考えていたという。大西さんは「NHK大河ドラマ『どうする家康』に登場することも予想されるため、村重にゆかりの深い有岡城と池田城に声をかけ、連携企画が決まった」と経緯を話す。
村重、織田信長、黒田官兵衛、豊臣秀吉らの年表、有岡城の合戦、話し相手となる役職「御伽衆(おとぎしゅう)」として秀吉に仕えたエピソードなどを紹介したパネル、有岡城跡からの出土品を展示。関連イベントとして、1月29日に伊丹市文化財担当主幹・中畔明日香さんがパネルを解説するギャラリートーク(14時~15時、先着20人)、京都先端科学大特任准教授・中西裕樹さんの講演「戦国尼崎城の魅力と荒木村重」(17時~19時、同50人)を行う。いずれも当日受け付け、参加無料。
大西さんは「村重が池田から起こり、伊丹、尼崎などを本拠地として誰もが知る人物と関わっていくことの重み、千利休の弟子となった文化的側面などを感じてもらい、より複層的に歴史を捉えてもらえたら面白いと思う」と話す。
池田城跡公園を管理・運営する阪神園芸の立花智明さんは「村重はあまりいいイメージで描かれないが、優れた人物だったからこそ御伽衆として秀吉に仕えたり、茶人として活躍したりしたはず。関西には村重ゆかりの城がほかにもあるので、連携エリアを広げてさまざまなイベントを展開し、イメージを変えたい」と話す。
開城時間は9時~17時(入城受け付けは16時30分まで)。入場料は、一般=500円、小中高生=250円。月曜定休。1月31日まで。同パネル展は、池田市役所(2月27日~3月10日)、伊丹市立図書館本館ことば蔵(3月11日~21日)でも開催予定。