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尼崎・塚口の「松葉寿司」が新ブランド設立 店頭に冷凍自販機も

冷凍自販機の横に立つ岡本博幸さん。「自販機を設置することで、松葉寿司を利用したことのない方の動向やニーズなどを知ることもできる。お客さまの声を生かせたら」と期待を込める

冷凍自販機の横に立つ岡本博幸さん。「自販機を設置することで、松葉寿司を利用したことのない方の動向やニーズなどを知ることもできる。お客さまの声を生かせたら」と期待を込める

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 阪急塚口駅前の塚口商店街にある「松葉寿司(すし)」(尼崎市塚口町1、TEL 06-6422-1234)が9月19日、冷凍食品などを販売する新ブランド「Matsuba Chisou(松葉馳走)」を立ち上げた。

現在一番人気だという「カマ塩焼き」。「冷凍に向く食材や自販機に入るサイズ感など考慮する点は多いが、季節の食材を取り入れて定期的にメニューを変更していきたい」と剛志さん

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 1938(昭和13)年に創業し、すしを中心とした和食を提供してきた同店。新ブランドは、店で提供するメニューよりも価格を抑えた「カジュアルブランド」という位置付けで、冷凍食品の販売を皮切りに、贈答用商品の開発、定期個配なども展開予定だという。店主の岡本博幸さんは「松葉寿司のこだわりはそのままに、家庭で手軽に食べられるラインアップを用意する」と話す。

 冷凍食品の開発は数年前に着手。岡本さんは「こだわりを持って松葉寿司の味を守ってきた職人から『冷凍なんて』と反対意見も出たが、プロトン凍結機を導入して冷凍すしなどを試作したところ、ほとんど味の変化がなかった。反対していた職人も『ハンマーで頭を殴られたような衝撃』と言うほどだった」と振り返る。

 冷凍食品の販売は、これまで百貨店催事のみの販売だったが、新型コロナ禍による営業自粛中に行った店頭販売を皮切りに、塚口商店街の飲食店に声をかけ、各店舗の料理を冷凍処理し販売できるようにする取り組みを展開。今年4月には、同商店街飲食店のメニューを集めた冷凍自動販売機も設置した。これらの経験を生かし、新ブランドが誕生したという。

 新ブランド立ち上げ同日、事業第1弾として店頭に冷凍自動販売機を設置した。販売メニューは「きつねうどん」「松茸(まつたけ)ご飯」「カマ塩焼き」(以上600円)、「とり天丼」「わらび餅」(以上700円)、「焼きおにぎり」(2個入り350円)など。「松葉馳走(ちそう)セレクション」として、隣接の飲食店「六段」のカツサンド(1,000円)も販売する。

 博幸さんの弟で、松葉寿司の専務を務める剛志さんは「新ブランドならではのメニューを用意した。鍋などで調理する手間なくレンジアップだけなので、疲れた時や小腹が空いた時、夕食の一品など、用途に合わせて幅広く利用いただけたら」と呼びかける。「コロナ禍や世界の食材需要の変化で仕入れの値上がりなどが続き、飲食店はどこも厳しい状況だが、新しい取り組みで若い世代の客層を獲得し、創業100周年を目指し頑張りたい」とも。

 冷凍自販機は24時間営業。

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